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“活断層あり:活断層なし=3:3” 〜 安倍政権はこんな政治ゲーム感覚で既設の無事故原子炉を閉鎖に追い込むのか???

先のブログ記事「北陸電力志賀1号機:安倍政権は本当に“生け贄”を晒す気なのか???」の続編。

 今日未明の毎日新聞ネット記事では、昨日の原子力規制委員会・有識者会合が、北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内に活断層がある可能性を指摘する報告書案をまとめ、活断層の疑いが指摘されていた6原発10基の敷地内断層の評価が出出揃ったことについて、次のような図表を掲げながら報じている。


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(出所:2016.3.4 毎日新聞ネット記事

 この図表を見ると、これで3勝3敗の痛み分けに見えてしまう。しかし、そんな“政治ゲーム感覚”で決めるのは絶対にダメだ。そうだとは思いたくないが、原子力規制委員会(とその事務局である原子力規制庁)のこれまでの規制運用や審査内容を見ていると、そうだと思わざるを得なくなってくる。
 いずれにせよ、既設プラントを予定外で廃止に追い込むのであれば、許可当時の判断根拠を示した科学的知見を持つ有識者・学識者たちと公開で議論してからにすべきだ。

  特に、原子力事業は国策民営なのだから、予定外の廃炉を強制するのであれば、電力コスト増や立地地域経済など諸々の逸失利益に対して、国家賠償を確約することが必須であろう。
   原子力規制委・規制庁がいくら新しい規制機関だとしても、事故プラントでもない志賀、敦賀、東通などの既設稼働発電所について、新規制基準に適合させるための対策に猶予期間を与えず再稼働を認めなかったり、新規制基準と整合しないことが疑われるものに関して代替措置を認めないというような規制運用は、規制行政の在り方として非常に不適格。
 これは犯罪取締りではなく、事業規制・産業保安規制なのだ。
 将来必ず廃炉することが確実に予定されているのだから、円滑な廃炉に向けたヒト・モノ・カネの確保を、当初予定通り進めることが原子力安全規制行政の基本のはず。
 原子力規制委・規制庁は新しい規制機関だから、とにかく廃炉に追い込んだ実績が必要だ、というような科学的ではない政治的な裏の理由で既設稼働プラントを強制的に閉鎖させていては、“要らぬ死人”を出すだけ。
 事故プラントでない既設原子力発電所に関しては、まずは発電再開を容認するとともに、新規制基準への適合工事について期限を切りつつ完了させることを最優先にすべき。それが世界の常識でもある。

 北陸電力は、これまでの断層調査に約40億円をかけてきただけではない。再稼働に向けた安全対策の追加工事に対して、約1100億円をかけようとしている。これらの費用が、“安全神話”によって無駄になってはならないはずだ。
 北陸電力は、電力10社中で電気料金が最も安く、株主への配当も継続している優良企業。だが、志賀原発が当初計画を大きく逸れて廃炉となれば、これを維持することは困難になるであろう。
 私が行ったマクロ試算では、志賀1・2号機は、欧米並みの高稼働率で稼働させた場合、LNG(液化天然ガス)火力発電代替ないし石油火力発電代替として、年間1200〜1800億円程度の発電コストを削減させる能力を持つ。
 これが、上記のような状況の中で毀損されてしまうことが、本当に許されるのだろうか。経済的に余裕のない我が国の実情からして、安倍政権は本気でそんなことを容認するのだろうか??

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