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放送の事後検閲を示唆した総理答弁

「一つ一つの番組を見て全体を判断するのは当然だ。」
 安倍総理が、「政治的公平性」の解釈に関して、私に対して行った答弁である(予算委員会3月1日)。政権が「個別の番組」をチェックする、つまり事後「検閲」をすると言っているようなもの。憲法は、「報道の自由」を含め、表現の自由を保障するとともに、一切の検閲を禁じている。安倍総理の憲法軽視の姿勢がここにも現れた言える。

 これまで歴代の自民党政権は、「報道の自由」それなりに経緯を払っていた。放送法4条は長く「倫理規範」とされてきたし、法規範性を認めるようになった1980年代以降でも、「政治的に公平」(放送法4条1項2号)の判断については、その局が放送する番組全体のバランスの中で行うとの解釈を採ってきたのだ。つまり、「政治的公平」かどうかは問わないことにしていた。
 
 ところが、高市総務大臣は、この解釈を変更した。個別の番組でも「政治的に公平である」と認められない場合がある、と昨年5月の国会答弁及び「放送法遵守を求める視聴者の会」に対する回答文(2015年12月)において重ねて表明。さらに、個別の番組について放送停止が可能と、国会で繰り返し答弁している。高市総務大臣の言動が、4キャスターの退任など「報道の萎縮」につながったのは想像に難くない。

 そして冒頭の安倍総理の発言。安倍政権になって、政府とマスコミの力関係が一気に崩れたように見える。
 安倍政権は、歴代自民党政権とは明らかに異質だ。放送法の運用については謙抑的であるべき。引続き、国会でこの問題を取り上げていく。メディアも声を上げ続けて欲しい。

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