- 2016年03月03日 07:03
【トランプvs共和党】
トランプ氏の勢いが止まりませんね。Super Tuesdayの各紙の見出しです。
[画像をブログで見る](Washington Postより)
◼︎NY Times: Trump Overwhelms Rivals on Super Tuesday(トランプ、ライバルを圧倒)
◼︎Washington Post: Trump dominates GOP field(トランプ独占)
◼︎USA Today: Trump celebrates big wins "I'm a unifier"(トランプ大勝利「みんなをまとめる」)
[画像をブログで見る](APより、左はChris Christie)
"トランプ躍進"の理由は何か?ネオコンの代表論者として知られるRobert Kagan の寄稿文(2/25の Washington Post)がいろんなところで引用されているので、原文をチェック。
タイトルはTrump is the GOP’s Frankenstein monster. Now he’s strong enough to destroy the party (トランプは共和党のフランケンシュタイン。今や党を壊すほど強い)
「賃金が上がらないことに対するアメリカの怒れる人たちがトランプ躍進の背景」という分析は間違いであり、実際は、「移民排斥・イスラム教徒排斥・オバマ嫌いなど、今のトランプの主張は、共和党が煽ってきたものだ」として共和党を批判しています。
ばりばり共和党のKaganは「残された選択肢は、ヒラリーに票を投じることだ。共和党は救えなくても アメリカはまだ救える」と結んでいます。ちなみに GOPはGrand Old Party= 共和党。
寄稿文はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。
[画像をブログで見る](以下すべてWashingon Postより)
ギリシャ神話の「オイディプス王」では、テーバイに降り注ぐ大災難の理由がオイディプス王自らにあることに気づく。今日の共和党は、オイディプス王である。アメリカ政治の歴史上、もっとも成功した demagogue-charlatan(国民を扇動するペテン師)が登場した。共和党は、その理由と処方箋を必死に探しているが、オイディプス王同様に、自らがこの災難を招いたことに気づいていない。まるでギリシャ神話だ。
トランプは偶然の産物ではない (Trump is no fluke)。別に共和党や保守主義の流れをハイジャックしたわけではないのだ。むしろ、共和党が自ら作り出したフランケンシュタイン・モンスターだ。そして、今や作り手である共和党を破壊するほどまでに強大になっている。
▼政策の違いから政府をシャットダウンする、▼最高裁の判決を無力化する、▼妥協は裏切りだと断ずる▼常識的なことをしようとした共和党指導部に対してクーデターを起こす。これらは、共和党の妨害戦略だったのではないか。
さらに共和党は、偏見をあおった。不法のみならず合法の移民に対する攻撃を始めたのは、トランプではない。ポピュリスト的に国民の支持を得ようとした共和党指導部だ。トランプは、共和党が煽った国民の怒り、外国人嫌い、偏見の流れを引き継いだに過ぎない。
オバマ嫌いも忘れてはならない。オバマ大統領は、外交などで誤った政策も多かった。もちろん批判や論理的な反論は必要だ。しかし、共和党の保守系の批判は、かつてないような暗く、偏執的な形をとった (unusually dark and paranoid form)。
中東危機に対するきちんとした代替案を示すどころか、共和党はイスラム教徒嫌い (Islamaphobia) を煽る手法に陥った。この結果、オバマの主張がかつてのリベラルな民主党候補だったデュカキスやクオモとさして変わらないにもかかわらず、それが間違っているばかりか、反アメリカ、非アメリカ(anti-American, un-American, non-American)であり、何か破壊分子を代表しているようだと主張した。
[画像をブログで見る]ちまたで言われているのは、トランプ軍団の"怒れる"人々(Trump’s legion of "angry" people)は、賃金が上がらないことを怒っている。いや、そうではない。
オバマ政権になってからの 7年半、共和党が「怒れ」と言ってきたことに怒っているのだ。その怒りの受け皿となっているのがトランプだ。革命の果実を刈り取るナポレオンである。
最近、共和党はなぜ指導部がもっと早くにトランプの躍進を止められなかったのか?という声が出ているが、それは無理だよ。
だって、トランプは、共和党がホワイトハウスを奪還しようと思って煽ってきた怒りの産物なのだから。今になってトランプを転覆せよと主張している共和党指導部は、ちょっと前まで、トランプが巻き起こす議論を歓迎していた。
今になってトランプを批判する政治家は、トランプの支持者から嫌われたくないばかりに、以前は批判しなかったことを忘れているようだ。批判の矛先はトランプではなく、他の候補者に向かい、候補者どうしで顔をひっかき合って、ひとりずつ崖から落ちて行ったのだ。
では何をすべきか?共和党の創造物は、間もなく野に放たれ、共和党がなし得なかった任務は、他者の手に任される。
私にとって残された唯一の選択肢は、ヒラリーに票を投じることだ。もやは共和党は救えない。でもアメリカはまだ救える(the only choice will be to vote for Hillary Clinton. The party cannot be saved, but the country still can be)。



