- 2016年03月03日 09:12
沈黙させられた中国のブロガーたち
中国のいわゆる「ビッグV(ミニブログの世界で発言力・影響力を持つパワーユーザー)」の陣容が小さくなり、かつて中国で不可欠とみなされていたソーシャルメディアサービス(SNS)サイトの魅力もしぼんでいる。
先週末、中国当局はミニブログサイト「微博(ウェイボー)」に対し、任志強氏(元不動産会社会長で共産党員でもある)のアカウントを閉鎖するよう命じた。その理由は、任氏が「下劣な影響」をもたらす「違法な情報」を拡散したからだという。任氏はそれまで、習近平国家主席のメディア政策をネット上で批判していた。
任氏は微博で3700万人のフォロワーをもっていた。不動産王のドナルド・トランプ氏がツイッター上に持っているフォロワーの5倍以上で、最大級の「ビッグV」だった。
アカウントの強制閉鎖は、これまで中国における「バーチャルな広場」として称賛されていた微博が、検閲が強化される中で重要な地位を保てるのかという疑問を投げ掛けた。米ナスダック市場に上場している微博の株価は週明けの先月29日、つまり任氏のアカウントが停止されて最初の営業日に5%以上下落した。微博はコメント要請に今のところ回答していない。
以下は、習主席が権力の座について以来、微博のアカウントを閉鎖された最も影響力のあるユーザー5人だ。大半のケースでは、アカウントは公の説明なしに閉鎖された。このため、ここに挙げている閉鎖理由は推測に基づくものである。
1.任志強(元不動産開発会社会長)
アカウント閉鎖日:2016年2月
フォロワー数:3780万人
考えられる閉鎖理由:あけすけな主張で「任大砲」の異名をとる任氏は、習主席の要請に異議を唱えた。共産党に奉仕し、党を守るよう中国国営メディアに求めた要請だった。これに対し任氏は、メディアは党ではなく納税者に仕えるべきだと述べた。そして、メディアが党に忠実ならば「人民は片隅に棄てられ、忘れ去られてしまうだろう」と記した。
2.袁裕来(弁護士)
アカウント閉鎖日:2015年11月
フォロワー数: 2000万人前後
考えられる閉鎖理由:中国のソーシャルメディアで最も有名な「不死身の」弁護士である袁氏は、環境とイデオロギーについて政府を批判し、共産党の理想実現の動きが「時代に逆行している」と指摘した。袁氏はまた、人権裁判において陳情者による法廷外の抗議行動を支持した。これは15年7月に人権派弁護士の大量拘束を正当化する理由として示された活動の1つだった。
3.李承鵬(政治コメンテーター)
アカウント閉鎖日:2014年7月
フォロワー数: 740万人
考えられる閉鎖理由:李氏は、検閲、汚職、食品の安全、学校の手抜き工事などの問題に関する政府追及で、ほとんど手加減しなかった。14年4月には、胡耀邦元共産党総書記を追悼するコメントを投稿した。同元総書記の死は、その25年前の天安門事件の引き金になった。
4.慕容雪村(作家)
アカウント閉鎖期日:2013年5月
フォロワー数:400万人前後
考えられる閉鎖理由:インターネット・フィクション作家の草分けである同氏は、共産党の秘密の規則「7つの禁止事項(七大講)」をあざ笑った。西側の価値観や過去の共産党の過ちを論じるのを禁じた条項だ。13年5月には別の微博ユーザーのアカウント閉鎖をめぐり、インターネット規制当局を公然と批判した。
5.孫海英(俳優)
アカウント閉鎖日:2015年11月
フォロワー数:320万人
考えられる閉鎖理由:元兵士でキリスト教徒の孫氏は、毛沢東を何度か批判し、発禁本「毛沢東の私生活」から繰り返し言葉を引用した。この本には、「共産党は歩く屍(しかばね)だらけだ」と毛沢東が言ったと書かれている。孫氏はまた、文化大革命が「人類に対する犯罪」だったと述べている。
By Josh Chin
- ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)
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