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2015年12月の生活保護データ:約217万人・163万世帯 〜 景気動向と生活保護は無関係

厚生労働省が今日発表した『被保護者調査(平成27年12月分概数)』によると、被保護実人員数は約216.6万、被保護世帯数は約163.4万と、いずれも漸増(資料1)。
今日午前のNHKニュースWEBでは、「生活保護受給世帯 163万世帯余で過去最多」と題して、次のように報じている。

<報道抜粋>
・65歳以上の「高齢者世帯」が80万5723世帯で、全体の半数。
・このうち、1人暮らしの世帯は72万9000世帯で、高齢者世帯全体の90%。・「その他の世帯」27万1037世帯、「傷病者世帯」25万2671世帯、「障害者世帯」19万1350世帯、「母子世帯」10万4922世帯。・厚労省「高齢者の受給世帯は増加が続いているが、働くことができる世代を含む世帯などでは雇用情勢の改善で減少傾向がみられる」。 [画像をブログで見る]
生活保護というと、不正受給に関する話題が後を絶たない。最近も、次のような報道があった。
・2016.3.1 産経新聞ネット記事母親の死隠して年金受給、詐欺容疑で40歳男を最終送致 兵庫県警
・2016.2.25 読売新聞ネット記事 警官、元妻に不正受給させる…生活保護費数百万
 

それはさておき、被保護世帯数や被保護実人員数の増減の理由については、政府の景気・経済対策とは結果的に関連はない。それは、これまでもこのブログや別のブログで何回か書いてきたし、データからも明らかだ(資料2)。

  アベノミクスも含め、過去の経済対策が生活保護分野の改善に効果も効能も及ぼしているとはとても言えない。そもそも、経済対策と生活保護には相関関係は見られてこなかった。
 生活保護には、生活扶助、医療扶助、住宅扶助、介護扶助などがある。いずれの扶助も抑制していくことを迫られてるだろうが、個々の受給ごとに事情が異なるので、マクロ財政の視点から優先・劣後の順位付けをすることは難しい。

 生活保護は個人向け補助金であるが、財政事情を慮れば1人当たりの支給規模を今後増やす余地はないと思っておくべきだ。
 解決策の一つとして、現金給付から現物給付への移行を真剣に検討すべきである。

  だが最終的には、1人当たり受給額の総額規制など上限を設定するといった手法しかないのではなかろうか。これは、年金や医療・介護費など高齢者向け社会保障費にも適用されるべきことでもある。


<資料1>
画像を見る
(出所:厚生労働省
被保護者調査(平成27年12月分概数)』)


<資料2:被保護世帯数、被保護人員、保護率の年次推移>
画像を見る
(出所:2015.6.30 厚生労働省社会・援護局「第2回生活困窮者を支援する勉強会資料」

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