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入社前に「ブラック企業」かどうか確認できる? 若者雇用促進法の施行に「罰則なければ意味なし」の批判もあるが…

3月1日から「若者雇用促進法」が本格施行された。新卒の求職者が企業に対し、過去3年間の「新卒採用者数」や「離職人数」、前年度の「時間外労働」「有給休暇取得日数」の実績などを問い合わせた場合、企業は情報提供をしなければならない。

このような情報はこれまで入社前の入手が難しく、入社後に「こんなはずではなかった!」と驚くことも少なくなかった。「ブラック企業に入りたくない!」という2017年卒以降の就活生には有益な制度となりそうだが、ネットにはこの有効性を不安視する声もある。

「求人の不受理」と「青少年雇用情報の提供」が運用開始

この法律は、少子化に伴い若年労働力人口が減少する中で、青少年が安定した雇用の中でキャリアを積むことが経済社会の発展に重要との観点で、昨年9月11日に改正。今年3月1日から施行となるのは「求人の不受理」と「青少年雇用情報の提供」の2点だ。

まず、過重労働などの労働関係法令違反があった企業の新卒求人申し込みは、ハローワークで一定期間受け付けられなくなる。新卒者をブラック企業に紹介することを防ぐ一手段と期待されている。

さらに企業は、求職者から求めがあった際、下記の3つの情報類型の中から、それぞれ1つ以上回答しなければいけない。
【募集・採用に関する状況】:過去3年間の新卒採用者数・離職者数/過去3年間の新卒採用者数の男女別人数/平均勤続年数
【職業能力の開発・向上に関する状況】:研修の有無及び内容/自己啓発支援の有無及び内容/メンター制度の有無/キャリアコンサルティング制度の有無及び内容/社内検定等の制度の有無及び内容
【企業における雇用管理に関する状況】:前年度の月平均所定外労働時間の実績/前年度の有給休暇の平均取得日数/前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)/役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合

また、情報提供を求めたことを理由に、企業が求職者に採用選考の情報を伝えないなどといった不利益な取扱いを行わないよう、企業への周知を徹底するという。

「自分が就活する時にもあってほしかった!」の声も

この法律の施行を受け、ツイッターには「自分が就活する時にもあってほしかった! たぶん、今の会社入ってない」と情報開示に期待する声が寄せられていた。特に求人広告の内容に疑いがある場合、過去の実績を知ることでリスクを回避することができそうだ。

その一方で、効果を疑問視する声も多くあがっている。たとえば求人の不受理が新卒求人に限られている点について、ハローワークを利用するのはおもに中途採用であるため、「問題は中途採用で今苦しんでる非新卒なんだよなあ」として、不受理の対象を広げて欲しいとの声もあがっている。

雇用情報についても、就活生が同じカテゴリーの情報を複数照会した場合、企業はそれに答える義務はないからだ。前年度の「所定外労働時間」や「有休平均取得日数」「育休取得者数」をすべて知りたくても、企業はその中の1つだけ答えてお茶を濁すこともできる。

さらには、情報を求めた就活生に不利益な取扱いを行ったり、企業が嘘の情報を開示したりしても、罰則がないことも問題視されている。
「え?企業が嘘ついても罰則なきゃ意味ないじゃないか??」
「今の状態だとあんま意味ないね。説明会で残業時間とか質問するのと大差ないし」
「そもそも学生が個別に企業に連絡を取る必要がある時点で『この学生は残業時間や休日数を気にしている。やる気がない』とか言って面接で減点するクソ人事がたくさん発生すると思う」

ネットが普及する中で「虚偽開示」は大きなリスクに

厚生労働省の担当者によると、提供された雇用情報は求人広告ではないため、虚偽の内容が含まれていても職業安定法違反で罰せられることはないという。ただし今後は改正法の運用状況を見ながら、罰則の必要性について検討する可能性はあるとのことだ。

確かに就活生にとっては不備があるように見える新ルールではあるが、これだけネットが普及する中で虚偽の情報を開示するリスクは、企業も承知しているのではないだろうか。メールなどで開示の証拠が残っていることもあり、行政への相談もしやすくなりそうだ。

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