- 2016年02月28日 10:00
子どものウソは、叱る派? 黙認派?
何より長男は大変だ
自分の子どもは可愛いもの。そんな子どもがウソをついていたら……。
黙認という手法を選ぶと思われるのが、ウォルマート・ストアの創始者、サム・ウォルトンだ。
「サムのポリシーは、『他人の長所しか見ない』。従業員に対して悪いところを指摘せず、いいところだけを探して褒めていました。それがやる気を与えて長所を伸ばした結果、事業が成功を収めたわけです」(著名人の行動習慣をまとめた著書がある理学療法士の濱栄一氏)
画像を見るどちらも「叱る派」が多数
一方、300人以上の経営者を取材してきたジャーナリスト・國貞文隆氏は「日本の経営者の場合、叱る派のほうが圧倒的に多いはず」と推測する。
「同族企業のジュニアは、ある程度年を取ったら、何らかの形で会社に関わるわけで、将来を問われる存在。そこで親はしつけようとするのが当たり前。ウソを見て見ぬフリしていれば、将来、経営がおかしくなりますから」
ところが、ベンチャー系は教育が難しいという。なぜなら会社の業績が上がろうものなら、経営者は多忙をきわめ、ほとんど子どもの面倒を見れなくなる。「お父さんなんて、いなかった」と述懐する2代目は多い。
「そこで起こりやすい問題があります。ひとつは親の監視から逃れて、趣味や遊びに溺れてしまうケース。カジノ賭博に夢中になって、100億円を超える資金を個人流用した、大王製紙の御曹司・井川意高氏がいい例です。有力企業の息子が悪い友達とつるむようになって、時には違法な遊びに手を出し、それが裏社会との交際へ発展……というパターンは意外にあるのです。
もうひとつは、母親主導の教育になって、たまに帰ってきた父親があまりにも叱りすぎるため、萎縮してしまうケース。たとえばワコール社長の塚本能交氏は、父であり創業者の幸一氏に怒られすぎて引っ込み思案になり、一時期、思うような経営ができませんでした。ユニ・チャーム社長の高原豪久氏、ドトールコーヒー社長の鳥羽豊氏も、相当叱られているのではないでしょうか」
2011年、突然倒産した岡山県の名門バイオ企業だった林原も、徹底した長男至上主義を貫き、しつけがきびしい環境だった。社長だった林原健氏が、父から手をあげられ反発を覚えたと告白している。
何より長男は大変だ。うまくいけば親のおかげだし、失敗すればバカ息子の烙印を押され、なんとも荷が重い。さらに初めての子どもということで親の思い入れが強いのか、長男のプライドが高いのか、大きな親子の衝突へと発展することもしばしばある。世間をにぎわせた大塚家具の騒動も、結果的に大塚久美子氏が社長に収まったが、父親と長女の対立だった。
いさかいが起きた結果、長男は会社からパージされたり、社内で飼い殺しにされたりするケースも目立つ。
プレッシャーも小さく、躍進しやすいのが、次男である。日清食品の場合、創業者・安藤百福氏と対立した長男は社を離れ、今は次男の宏基氏が社長に。USEN(旧・大阪有線放送)会長の宇野康秀氏も、父と長男が衝突を起こし、次男が継いだケースである。
「だから長男で立派な後継者に育ったトヨタの豊田章男氏は、非常に稀有な存在なんですよ」(國貞氏)
子どものウソを見つけたら、黙認するにせよ、叱るにせよ、親子の関係が崩れないよう、加減を上手に調整することが問われるのだろう。
調査概要●年収1000万円以上で「自分は幸運だ」と思っている人(幸運者)と、年収300万円以下で「自分は不運だ」と思っている人(不運者)、各100人にアンケート調査を実施した。
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