マッカーサーの回顧録にも、幣原の回顧録にも「幣原発案」とあるので、それで決まりだと思っているのかもしれないが、歴史事実の「史料批判」というものは、実はそんなに単純ではない。
憲法9条の発案者は、マッカーサー説、幣原喜重郎説から、昭和天皇説まである。
当時アメリカでは「天皇の戦争責任追及すべし」という意見も多かったので、マッカーサーは「天皇を守らなければ占領統治が瓦解する、100万の軍隊を追加してもらわなければならない」という電報を本国に送った。
そこで取り引きされたのが、第一章・天皇条項と、第9条の戦争放棄条項をセットにして、日本の再軍備を封じ込むという案で、「発案者は日本人、幣原喜重郎だ」ということにしてくれと、マッカーサーが幣原に飲み込ませたのだろう。
占領統治というものは間接統治でなければ、うまくいかない。
日本人自身が「憲法9条を発案したんだ」と思い込むということ自体が占領政策の要諦なのだ。
「報道ステーション」は諸説ある場合は、その中の一つのみを真実であるかのように報じてはダメだ。
あまりに護憲派に偏向している。
憲法改正派も国民の半分近くいるのに、番組の公平中立性をあまりにも無視して、露骨に護憲派に偏った報道を強行し、歴史の真実を歪めてしまっては、あとで朝日新聞のように、「慰安婦の強制連行はなかった」と大々的に訂正せねばならぬような羽目に陥る。
それにしてもこの番組のコメンテーターをしている憲法学者の木村草太も明白な護憲派で、発言が学者的ではなく、政治的になっているから、警戒しておかなければならない。
右派にしても、左派にしても、学者は政治に左右されている者が多い。
真実よりも政治を追求する学者は、わしは右派左派ともに、大いに疑って見ることにしている。