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マイナス金利はむしろデフレを進行させる

先日 は、マイナス金利の影響を主に短期的な側面から書いた。では長期的にはマイナス金利はどういう影響があるのか?

経済成長もマイナス・・・。インフレもマイナス・・・。が実力であろう日本経済にとっては本質的にはマイナス金利は正しい政策のようにも見えるが…。一方でこういった考え方もある。

フィッシャー式 というものがある。以前も少し紹介したと思うが…。

名目金利=実質金利+期待インフレ率 

というやつだ。

といわれてもよくわからんなあと思う人も多いかと思う。が、たとえば、給料に置きなおしていればどうだろうか?

給料が名目ベースで1%上昇したとしよう。ここ最近は日本も少し物価が上昇している。インフレ率もまた1%だとすれば

名目賃金上昇=実質賃金上昇+インフレ率なので実質賃金の上昇はゼロ%ということになる。

この話はテレビでもよく出てくるだろうし実感もわきやすいから、みなさんすんなり頭に入るのではないだろうか?

30年前くらいなら定期預金10年で2倍になったなんていうのは普通だったのだろうが、実際にはインフレ率も高かったから本当に2倍の利益があったわけではない。そんな感覚から考えていただくとわかりやすいのではないだろうか?

さて、名目金利を中央銀行による政策金利と考えると、これは中央銀行の政策によって決まるものでから中央銀行の支配下にあるわけだ。一方で実質金利はどうか?

長期的には実質金利は実質の潜在成長に等しいということができる。そして実質の潜在成長率は中央銀行が基本的にはコントロールできないものだ。いつも言うように金融政策や財政政策で潜在成長率を高めることはできない。規制緩和その他によって経済の効率性を高める。もしくは労働力人口を高めることによって潜成長率は高めることができる。(細かい話は過去にもいろいろさせてもらったのでしないし、一方で当然間違った規制強化や労働力人口の減少で潜在成長は低下することもある)

そうするとどうだろうか?

中央銀行が政策金利を低下させると、実質潜在成長は一定(実質金利は一定)なので、この式が成り立つためにはインフレ率が低下するしかなくなるわけだ。だから、実は・・・中央銀行による低金利政策、ましてネガティブ金利はインフレ率を大きく低下させる政策である可能性があるということだ。

そんな話をしてもドマクロ経済学に犯されている多くの経済学者や中央銀行家は認めないだろうが…。

荒唐無稽に思われるかもしれないがアメリカの経済学者の間ではブログなどでまともに議論されている話でもあるしオーソドックスな経済理論からは容易に導き出される結論でもある。

日銀によるマイナス金利導入は実はさらなるデフレの引き金を引いた可能性があるわけだ。まあ、個人的には物価が下がることは別にいいことでも悪いことでもないと思っているので大騒ぎする必要は全くないとは思っているのだが。

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