記事

トランプ氏は、ワシントンでトランプbetaになる

先日出席したTEDのあるセッションでも、質疑応答の時に、two wordsの質問があるわ、と司会が言って、President Trump? トランプ大統領? とそんなことあり得ない、可能性の一つとして言及されていたけど、なんだか現実味を帯びてきてしまった。

トランプ候補の「アメリカとメキシコの国境に壁をつくる」とか、「イスラム教徒を入国禁止にする」という過激な発言は、政治の主流派からは、「道化師」扱いされていたわけだけど、共和党の候補者に指名される可能性が高まってきている。

その読み筋とは、こうだ。メキシコ国境の壁とか、イスラム教徒の入国禁止とか、トランプ氏が主張していることは、仮に大統領に当選して、ホワイトハウス入りしたら、実際には実行できないだろうと。もしやるにせよ、妥協したことしかできないだろうと推理しているのではないか。

ワシントンには、優秀な官僚がいる。彼らが、トランプ氏の国境の壁やイスラム教徒入国禁止といった発言にどのように反応するか、容易に推測できる。現実にはできない理由など、100でも200でも並べられるだろう。

トランプ氏が支持されている理由は、その過激な主張がそのまま実現されると期待しているわけではなくて、彼のようなアウトサイダーがワシントンに入っていった時に起こるダイナミズムに期待しているのだろうと私は思う。

結局は、トランプ氏とワシントンの妥協の産物として、何か現状打破の興味深い試みが出てくるのではないかと期待しているのである。もっとも、これはトランプ氏に妥協をする能力と意志があるということが前提となる。

ここで、トランプ氏の不動産王としてのビジネス感覚が出てくるのだろう。不動産ビジネスをやる上では、強面のイメージとは別に、相手との交渉や妥協は必要だったに違いない。そういうトランプ氏だから、ワシントンともうまく妥協するだろう、くらいに思っているのではないか。

結局、トランプ氏は、ワシントン入りすると、トランプbetaにヴァージョンアップせざるを得ない。そこまで読んでアメリカ国民の一部が支持している、と私は推理する。もっとも、ご本人たちが自覚しているかどうかはわからないけれども。

あわせて読みたい

「ドナルド・トランプ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    河野大臣「ワクチンは十分に足りている」接種状況について説明

    河野太郎

    08月03日 09:13

  2. 2

    在宅勤務で生産性低下した国は日本だけ? 背景に対面コミュニケーション依存の働き方

    非国民通信

    08月02日 15:12

  3. 3

    森林大国ニッポンが木材不足のナゾ ウッドショックは林業に変革をもたらすか

    中川寛子

    08月03日 08:07

  4. 4

    男性視聴者の眼福になっても女子選手が「肌露出多めのユニフォーム」を支持する理由

    PRESIDENT Online

    08月02日 15:27

  5. 5

    この1週間を凌げば、オリンピックが終わります。もうしばらく我慢しましょう

    早川忠孝

    08月02日 14:37

  6. 6

    コロナ軽視派「6月で感染者数減少」予想大ハズレも、重症者数が大事、死亡者数が大事とすり替え

    かさこ

    08月02日 10:29

  7. 7

    何をやっても批判される「老夫婦とロバ状態」の日本

    内藤忍

    08月02日 11:52

  8. 8

    来るべき自動車産業戦国時代を勝ち抜ける日本がなぜEVなのか?

    ヒロ

    08月03日 11:52

  9. 9

    人権尊重、企業は本気か-DHCの不適切文書に批判

    山口利昭

    08月03日 08:42

  10. 10

    世界初の自動運転「レベル3」登場も複雑化する使用条件

    森口将之

    08月03日 10:28

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。