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2016年春闘 「経済の好循環」に不可欠なベア

大手自動車や電機メーカー各社の労働組合が要求書を経営側に提出し、2016年春闘の労使交渉が本格化してきた。

組合側は、3年連続で基本給を引き上げるベースアップ(ベア)を求めている。ベアは、働く人やその家族の生活水準を向上させ、個人消費の拡大にもつながる。

日本経済が活気を取り戻すには、どうしても内需の拡大が必要である。継続的な賃上げで家計収入が増えれば個人消費が回復し、企業の業績にもプラスに働く。デフレ脱却には、こうした「経済の好循環」が欠かせない。

公明党の山口那津男代表が過日の経団連との懇談で賃上げへの取り組みを促したように、各企業はベア要求に積極的に応じてほしい。

厚生労働省の調査(15年)によると、ここ2年の春闘は、中小企業の賃上げ幅が大企業に追い付かず、企業間で格差が広がっている。

原材料価格上昇の影響で、中小企業が上昇分を価格転嫁できないことが要因の一つとされる。

労組・連合の調査によると、「取引において価格・単価の引き下げ要請があった」と回答した中小企業は半数を超えている。14年12月の政労使会議では、大企業が原材料費の値上がり分を適正に価格転嫁することで合意したのだから、この合意を着実に実行し、中小企業も賃上げしやすい環境をつくらなければならない。

労働者全体の約4割に上る非正規社員の待遇改善も、今春闘の重要なテーマである。

政府の16年度予算案では、非正規社員の賃上げなどを行う企業への助成金が大幅に拡充された。早期に成立させ、企業が積極的に活用できるよう後押ししていきたい。

中国経済の減速や原油安などで世界経済の先行きに不透明感が増していることを理由にして、賃上げに消極的な姿勢を示す企業もあるが、過去最高益を更新する企業が相次ぎ、企業収益の改善は続いている。内部留保も350兆円規模に上るといわれている。

政府は法人税の実効税率を前倒しして16年度から引き下げる方針だ。企業によって業績に差はあるだろうが、減税の恩恵はできる限り賃上げに反映させるべきではないか。

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