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革新機構案のシャープ支援の「1兆円」の中身

先週、シャープ支援をめぐる、鴻海精密工業と産業革新機構の提案に関して、カギを握るのは銀行だという話を書きました。

鴻海案と革新機構案をめぐって、当初は、出資額について、鴻海7000億円規模、革新機構3000億円規模という数字で比較されがちでした。
むろん、間違いではないのですが、ただし、この数字だけを比較して「鴻海案が有利だ」とみると、間違える可能性があります。じつは、この数字の比較は、あまり意味がないといわれているからなんですね。

革新機構会長の志賀俊之さんによると、もともと、革新機構と鴻海ではコンセプトが違うわけです。革新機構案は買収ではなく、日本家電の再編によるシャープの生き残りです。
あらためて、いま一度比較してみましょう。

まず、鴻海案です。
わかりやすくいえば、鴻海は、まず、5000億円をシャープの成長投資として出資。すなわちシャープの株式を買い取ります。ここには、堺ディスプレイプロダクトの株式も含まれます。
さらに、2000億円で、シャープの主要取引先である、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行の保有する優先株を買い取るという提案をしています。
前回も書きましたが、銀行としては、これは助かりますよね。

次に、革新機構案です。
まず、3000億円をシャープの成長投資として出資。
液晶事業向けに、2000億円の追加融資枠を設定。
さらに、堺ディスプレイプロダクトの株式を売却し、1500億円を調達。
銀行には2250億円の優先株の消却と、1100億円の追加出資を求めます。
優先株を減らすことによる配当減が、750億円。
これらをすべて合わせると、計1兆600億円になるんですね。

というわけで、シャープにとってみれば、財務効果が大きいのは、むしろ革新機構案だという説もあるのです。つまり、革新機構案は、必ずしも鴻海案に比較して、遜色はないというわけですね。

さて、24日にも取締役会が開かれ、翌25日の臨時取締役会で採決が行われるといわれています。タイムリミットは、刻々と近づいています。

まあ、どちらにしろ、シャープの行く末については、地獄を覚悟しなければいけません。
鴻海会長のテリー・ゴウさんは、やさしい顔を見せていますが、はっきりいってそんなに甘い経営者ではありません。
これに対して、産業革新機構によって立て直されるとしても、液晶も、白物も、太陽光も、厳しい現実に変わりはありません。
右にいっても、左にいっても、待っているのは地獄。
シャープは、経営者も、社員も、地獄に飛び込む覚悟を求められます。

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