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ブラジルレアルの下落について

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今日はブラジルレアルの下落の話が中心です。

ちょっといろいろとありましてここんとこずっと忙しくて、更新がすっかり遅くなってしまいました。すみません。ブログやめた?と思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、やめてません、まだまだいけるとこまで頑張ります。


さて、ブラジルレアルの話、の前にヨーロッパギリシャは、たくさんの借金をしていますので、その借金の期限と利払いが次々にやってきます。そんなものを払う余裕はないのでどっかからお金を借りてきて支払に充てなくてはなりませんが、ギリシャはもはや自力で市場からお金を調達することができません。そこで、EFSF(欧州金融安定化基金)からお金を借りてきてそれらの支払いをしていると。

その融資枠を広げるには、ユーロ加盟国17か国でそれぞれ議会の承認を得て、みんな賛成、との合意に至る必要があると。今、各国の議会でそれが検討されてるというわけです。いろいろ報道されてますが要するにそういうことです。このユーロ加盟国の賛成というのは全部の国でOKが出ないといけないわけで、ドイツがOKならそれでいいというわけではありません。多数決とか拠出額の多寡とかそういうことではなくて、すべての国でOKが出ないといけないわけです。しかも、今回OKが出ればそれで一件落着というわけではなく、とりあえず当面のギリシャ借金返済と利払いが何とかなる、ということに過ぎません。

構造的には何の解決の糸口も見えてない、というのが現状だと思います。また、他のユーロ加盟国の国民の心情的にはもういい加減にしてくれ、という感じなわけで、これでギリシャが襟を正して心を入れ替えて更生する、という姿勢が見えてくればまだいいのですが、身勝手なことばかり言って挙句開き直ってみたり、と、ふざけんないい加減にしろ、という気持ちを持つなというほうが無理と言うものです。

引き続き長く暗いトンネルの中にいて、出口は見えてきていません。これがヨーロッパ

アメリカのほうは、情勢がいきなり悪くなったわけでも良くなったわけでもなく、まぁ引き続きといったところでしょうか。

さて、ブラジルブラジルレアル下がってきてますねー。今のブラジルの状況、Bloombergのこの記事がよくまとまっていると思うので貼っておきます。英語の記事を訳したものみたいなので、ところどころおかしなところもありますが、状況をつかむにはこれでいいんじゃないかなと思います。「レアルに投資する為替オーバーレイファンド」なんてのはいかにも、ですが、要するに通貨選択型のレアルコースのことです。「年金受給者」という表現も、いろいろ考えさせられる表現です。
【以下、Bloomberg HPより引用】
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=ahKRIf4z0zi0
ブラジル・レアル、日本人投資家の退散で下げが加速−クレジット市場

  9月30日(ブルームバーグ):ブラジル為替市場では日本の投資家の資金引き揚げ額が4月以降で最大となっている。この影響で通貨レアルの下げが加速し、債券の下落に拍車が掛かっている。日本の投資家のブラジル資産保有額は合計で1020億ドル(約7兆8600億円)相当。
  JPモルガン・チェースがまとめたデータによれば、年金受給者など日本の個人投資家は9月初めから29日までの段階で、レアルに投資する為替オーバーレイファンドから527億円を引き揚げた。またJPモルガンの指数によると、レアルが過去3カ月間で15%下げたことで、ブラジル国内の債券投資家はドル換算で9.4%の損失を被った。過去3カ月でのレアルの15%安は、ブルームバーグがデータを取る通貨全体の中で、ポーランド・ズロチ、ハンガリー・フォリントに次いで3番目に大きな下落率。
  ブラジルではインフレが加速する一方で中央銀行は利下げを実施。また欧州の債務危機による影響で、世界経済のリセッション(景気後退)懸念が高まっている。こうした中で日本の投資家はブラジル為替市場から手を引いている。野村ホールディングスのデータによれば、日本の投資信託によるブラジル為替株式、債券への投資額は8月末時点では7.9兆円と、1兆円未満だった09年から大幅に増加していた。
  スクアント・インベスチメントス(サンパウロ)で約3億ドル相当の資産運用に携わるマウリシオ・フンケイラ氏は電話インタビューで、「日本の投資家がブラジル市場から退却しつつある兆候が見られる。投資規模が非常に巨額なため、資金引き揚げによる影響はかなり大きい」と指摘。「10%の流出でも、レアルにはかなり重大な変化が生じる」と説明した。

  JPモルガンによれば、過去3カ月での新興市場債の下落率は平均で7.6%。ブラジル債の上昇で2021年償還債の利回りは7−9月(第3四半期)に76ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し11.72%となった一方、レアルの下落でドル換算での投資家のリターンは消失した。
  レアルは22日に1ドル=1.9549レアルと2年ぶり安値を付け、ブラジル中央銀行はレアル下落阻止を図り2年ぶりとなる通貨先物市場への介入を実施した。対円では19%下げ、09年3月以降の上昇分をすべて失った。中国人民元を除く新興市場の25通貨すべてが6月以降、対ドルで値下がりした。
  ブルームバーグが26日に実施した調査によれば、世界の投資家は、世界経済がリセッションに陥ると見込んでいる。世界的に景気は悪化しているとの回答は全体の約3分の2に及んだ。5月調査時はわずか18%だった。
  JPモルガンの為替ストラテジストによれば、日本の為替オーバーレイファンドにはノンデリバラブル・フォワード(NDF)が約400億ドル相当含まれ、これはブラジル外貨準備高の約13%に相当する。東日本大震災を受けて投資家は4月、オーバーレイファンドから710億円を引き出した。
【以上、Bloomberg HPより引用】

あれほど、レアル高対策に躍起になっていたブラジル政府がついにレアル下落を阻止するための為替介入をする事態に。やはりこないだのブラジルの利下げは大きな転換点になりましたね。こないだのブラジルの利下げの時に書いた記事、まだ読んでない方、内容忘れちゃったという方は是非こちらの記事をご覧ください(http://jovivi.seesaa.net/article/224078676.html)。この記事の内容を覚えてらっしゃる方の中にはやっぱりかー、と思った方も結構いらっしゃったのではないでしょうか。

で、ここから先は更に悪い場面に進んでいく可能性があります。というのも、まだ日本人の「右へならえ」気質、赤信号みんなで渡れば怖くない気質、ムラ社会気質、私だけ違うのはイヤ、みんなと一緒がいい、私だけ乗り遅れるのはイヤ、私だけ逃げ遅れるもイヤ、な集団行動にはなっていないからです。ここまでは、一部の敏感な資金の売りによる下げです。問題はここから。もともと現在のレアル相場は、先ほどご紹介した利下げの時の記事で使った表現で言えば「思考しないお金」、が買い支えてきたものです。「思考しないお金」が何も分からないまま、よく理解もせず、ただただ分配金だけを見て、人気があってみんな買っているという話だけを聞いて、ポジションをとっていました。そこに「ブラジルレアルの大幅下落」「資金流出が始まっている」との報が伝わればどうなるか、今とは比べ物にならないほどの売りが集まるでしょう。「思考しないお金」ですから、なぜ下がっているのか、なんて考えません。いつものように中身のない「やばいらしい」「危ないらしい」「みんな逃げてるらしい」という話をお互いしながら、お互いに恐怖心をあおり合い、集団パニックに陥っていく、というケースが十分考えられます。これが、ここから先に移行し得る「更に悪い場面」です。

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