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結婚しやすさに『23区格差』あり!〜男性超過の台東区、女性超過の目黒区 - 池田利道

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結婚適齢期の男性に出会いたいなら「豊島区」に行け!?



 性比は年齢によっても異なってくる。図2に、その上位と下位のトップ5を記そう。大きな流れはこれで理解できるのではないだろうか。

 注目していただきたいのは、年代によって性比の高い区が入れ替わっていくこと。

まず20代前半では文京区。これは同区が学生のまちであることと深く結びついている。20代後半になると、千代田区の性比が突出する。これは企業の独身寮の存在が無視できないと思われる。かつてほどではないにしても、今でも23区に住むひとり暮らしの男性、その6%以上が独身寮で暮らしている。実際、千代田区はその割合が約2割にまで及び、23区で一番独身寮の集積が多い。

 本稿のテーマである「結婚に結びつく出会い」となると、対象はもう少し年齢層が高くなる。そこで図3で、30代から40代前半の「結婚適齢期」の性比を見てみよう。一目瞭然だが、豊島区の性比が最も高い。都心への交通の利便性に優れ、独身者向けの手ごろなアパートやマンションが多い豊島区は、実利優先の男性にとって格好の住まいの場となるようだ。その結果、豊島区は30代~40代前半に、男性が女性より2割近くも多い23区最大の男余り社会の様相を示す。もし単純に、婚活願望の強い女性が結婚適齢期の男性に出会いたいというだけなら、データ上では豊島区に向かえばいいということになる。

「女性の未婚率」増加が教えてくれること

 東京23区全体の結婚にまつわるデータを見ると、1985年~2010年までの25年間で、男性の有配偶者は1.2%増、男性の未婚者は0.9%増、女性の有配偶者は0.6%増と、いずれも大きく変わっていない。そんななか、14.6%と突出して増えている数値がある。それは「女性の未婚者」だ。

 その背景には近年における女性の社会進出や、企業や家庭での役割の変化など、いろいろな要因があるだろう。とはいえ、女性においても結婚願望そのものは変わらず世間に存在しているはずだ。14.6%の数値が、もし女性側の「あきらめ」の結果であるとしたら、男性や企業など、見守る周辺のほうに責任があるのも事実ではないだろうか。

 性比で見れば、男性や女性との出会いが多い区、少ない区は確かに存在する。しかし、区境を越え、人が当たり前のように流動している東京23区で、現実として、豊島区の男性が将来の伴侶を豊島区の中だけで探し求めることは考えられない。

むしろ、自治体や社会などの周辺が、その差が存在している事実を理解し、現実としてそれを有効にする施策や仕組みを考えていくことが望まれる。いつの時代でも、どのまちでも、未来を切り拓き、未来の文化を創り出して行くことができるのは若者たちだ。彼らをあきらめさせない社会にできるかどうか。そこに東京23区や日本の未来がかかっている。

(いけだ・としみち)1952年生まれ。一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学工学部都市工学科卒業、東京大学大学院都市工学科修士課程修了後、財団法人東京都政調査会研究員を経て、財団法人東京都市科学振興会事務局長・主任研究員。89年より株式会社マイカル総合研究所主席研究員、94年に株式会社リダンプランニング、2011年に東京23区研究所設立。現在、まちづくりホームプランナー事業協同組合専務理事やUR都市機構まちづくり支援専門家などを務めながら、23区を中心とするマーケットデータの収集・加工・分析を手がける。

池田 利道
中央公論新社
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