- 2016年02月19日 10:54
「若者政策にもっと踏み込んでほしい」若者会議で熱く議論
「日本版ユース・パーラメント 若者と政党の『政治参加』ガチンコ論争!」と銘打つ意見交換会が18日、国会内で開かれた。若者の政治参加拡大に取り組む団体が各政党と開いているもので、今回は4回目。民主党からは、枝野幸男幹事長、武正公一18歳選挙権PT座長、山尾志桜里同事務局長、福島伸享、小川淳也、近藤洋介、津村啓介、寺田学、逢坂誠二各衆院議員が出席し、大学生らと熱い議論を交わした。意見交換の司会は中央大学特任准教授の高橋亮平氏が務めた。
ユース・パーラメント(若者議会)は、「政治家に若者の意見を聞いてほしい」「若者世代の抱える問題を政策として提案したい」という思いで学生団体やNPOが中心になって設立した「日本若者協議会」が運営している。欧州各国等で見られる「若者協議会(youth council)」をモデルに、若者の団体や個人が政党や政府へ直接声を届けるための仕組み作りを進めている。
民主党を代表してあいさつした枝野幸男幹事長は、「若い皆さんの現場の生の声や事情を知るルート、学ぶルートは意外に限られている。いろいろな団体などから意見や声をいただくが、それは全体から言えばごく一部の声だったりすることが多い。こういう形で政治と直接向かい合って声を届けていただく機会は、皆さんにとっても私たちにとっても大きな意味を持っている。皆さんの声や実情をしっかりと受け止め、前進していくきっかけになればいい」と述べた。
日本若者協議会の富樫泰良代表理事は、「若者が本当に何を求めているかをコンクリート化することは出来なくても、コンニャク化することは必要かと思っている。日本若者協議会は、インターンシップをしている団体、農業を通じて町づくりをしている団体なども入っている。いろいろな若者の意見が集まるように取り組んでいく。今日は、これまで聞いてきた若者の意見をぶつけさせていただく。民主党には、検討から反映というところまで踏み込んでほしい」と述べた。
「若者の政治参画」をテーマにした意見交換では、まず協議会の5人の若者が意見発表。「若者政策は複数の官庁にまたがっているので、総合的、機動的な政策を実施するために、子ども・若者省を新設して欲しい」「大学内に期日前投票所を設置するよう求めたが、学内の8割の学生が住民票を大学のある八王子市に移していない」「選挙権年齢が18歳になったので、被選挙権年齢も引き下げるべき」「若い人が選挙に出やすいように供託金制度を見直すことが必要」「若者の政策を調査・分析する審議会に、一定数の若者を参加させる若者クオータ制の導入」「若者の意見を吸い上げるための若者議会の設置。実際いくつかの自治体では行っている」「選挙区を世代別で区切ってはどうか」などの意見が出された。
枝野幹事長は、「審議会に若者をということだが、審議会政治を前提として考える必要はない。若者議会的な形で、若い人たちの声を作る場を考えた方がいいと思う」「8割の学生が住民票を移していないということは、移さないで済んでいる今の地方自治制度に声を上げなくてはならない。移した方が生活に便利で得なはず。地方自治にどうアプローチするかという話ではないか」「被選挙権年齢については、下げる方向を打ち出している」など、若者たちの意見に対して感想を述べた。
若者からは、「供託金制度をなくして、代わりに署名を集めることを提案している。ある程度の署名を集めることができれば、お金はないが人望はあるということで、勝てるかもしれない人が選挙に出られるようになる」「選挙権、被選挙権が下がったと言って、若者が同じ土俵に立てるかというと違うと思う。若者がマイノリティではないと言いきれるかどうかの議論はあると思う」とした上で、「民主党は参院選で若者にどういう支援をするのか」との質問があった。枝野幹事長は、「供託金に代えて一定の署名を集めるということは、自治体選挙ではリアリティがある」と意見を述べた。民主党の参院選での若者支援については、「現制度では30歳が被選挙権なので具体案はない。しかし、自治体選挙では、初出馬をする人には資金を手当てするなどの支援をしている」と説明した。
若者から、「被選挙権年齢は確実に下げてほしい。それと、自信がないと言っているポスターを出している政党が、政策を前に進めて行けるのか」という質問が出され、枝野幹事長は、「被選挙権年齢については、議会で議会人として責任ある行動をとるには、成人年齢とイコールが基本かなと思っている。党内で議論して、できれば今国会中に法案提出したい」と答えた。ポスターについては、「政治のメッセージの難しいところ。批判的な意見もあれば、好意的な意見もある」と述べた上で、「われわれは、政権運営では失敗したが、目指しているものは間違っていないいし、結果も出している。そこには強い自信を持っている」と明確に答えた。若者議会については、「若い人が関心のあるテーマについては、若い人に集まってもらい、学者などの審議会と並行して議論するということは、政権を取ったら必ずやる」と断言した。
自由討議の中で武正PT座長は、「子ども・若者省について、民主党はこれまでに、子ども・家庭省の設置を提唱してきた。国の中央省庁のあり方の中で、どういう形で出来るかの提案をいただいたので考えたい」と発言。小川議員は、「投票の義務化や、親による代理投票制を導入するのはどうか」と質問。若者側からは、「理想としては、自ら投票に行くことで意思表示をするべき」「当事者が考えて投票をすることが大事。子どもが投票したい人に親が投票してくれるか分からない。今後に向けて議論が必要」という反論があった。
福島議員は、「若者をどこかの組織に入れろと求めるよりは、共通の土俵を要求して、世代間で闘争をすることだ。超えられない障害は除去して、そのあとは数は力なので、若者を集めて勝負をすればいい」と発言。近藤議員は、「若者のクオータ制を導入しろということはピンとこない。本末転倒的なものではないか」などと発言した。
逢坂議員は、「20歳になって選挙権が得られたからと言って、そこで急に能力が付くわけではない。世代別の政治参加への対応というものがある。その緩やかなスロープを社会が受けとめる仕組みが必要。自治体がやる子ども議会のような『ごっこ』にしてはいけない」「この場が『ごっこ』にならないようにするには、今日出された提案で、民主党がやらなければならない提案を一つでも具現化すること。そして若者に投げかけられた問題を、皆さんが具体化する活動をしていくことだと思う」と述べた。
津村議員は、「被選挙権年齢引き下げなど以外は、小さい議論だ。何をやりたいかがない。その先に何があるかが伝わってこない」と述べ、もっと強く訴えてほしいと述べた。
主権者教育について若者から、「国がしっかりとやっていくべきだ。学校教育で、政治の面白さを教えてほしい」「『政治的中立性』にしばられて学校も先生も生徒も難しいと思う」などの意見も出された。
最後に武正PT座長が、「被選挙権は下げる方向。若者議会は政権を取ったら行う。奨学金制度改革は参院選のマニフェストに上げていくことで準備を進めていく。主権者教育も中学校、小学校と広めていきたい。政治的中立性は、欧米のようにもう少し踏み込んでいいのではないか」などと民主党としての考え方をまとめた。



