- 2016年02月19日 09:26
システム開発に金がかかることがわかりにくい一番の理由
僕の場合はシステム開発に、人件費や間接費がかかることを知らないこと、じゃなかったなぁ。
こういったシステム開発をしていて、お客様によく言われるのは『え、こんなちょっとしたことなのにそんなに係るの!?』ということ。
一番の問題は、世の中の多くの仕事が作業費を商品の販売数で分割して売っている仕事なので、扱ってる単価水準が低いから、ということなのかなと。
パン屋さんは、例えば一個100円ぐらいのパンをN個売るための人件費というのを計上しています。人件費だけで言うと、人件費をN個で割った数が、100円よりも安ければ利益です。
そのように毎日の数もののタスクに、自分たちのコストを埋没させて仕事をしている仕事が圧倒的に多いですよね。
しかし、受託のシステム開発などであれば、そのお客さんのためだけに作業します。かかる人件費等は、そのたった1案件のためだけに作業をするので、見た目のお金が高くなります。
このインパクトの差が「そんなにおかねかかるの?」の理由だと思っています。
かくいう僕も、かつて製造業の社員だった時に、アウトソースで出したソフトウエアの見積もりが、数人しかかかわってないのに、人月60万だの80万円でトータル見積もりが数百万円とか数千万というのを見て驚いたことを覚えています。自社が売っている製品が1000万円を超えたりするわけですが、毎月に並行して作って何十台かそれ以上出荷してますし、自分たちが設計として発注するハードウエアは、高くてもせいぜい一個数万円だったりするからです。ところが1製品あたりにそのパーツを10個も使っていれば、5万円のパーツも50万円のコストがかかりますよね。そういうのあんまり意識していなかったです。(家電屋さんとか見たら、そんなことねーよって言うでしょうけど。それはそこを重視したマネジメントをされていたからだと思います。)
つまり扱う単価単位が変わることが、大きなインパクトなのかと。
同じように弁護士やコンサルタントなど、そのお客様のために時間を割く商売は、概ね単価が高く見えます。ただ30分で話がつく弁護士さんへの相談よりも、1日2日はどうしてもかかってしまうWeb制作やシステム開発の方が時間単価は安いにも関わらずインパクトは大きいでしょうね。
もし、うまく説明しようとするなら、かかるコストも、利用者数で割ってあげるといいかもしれないです。
今回の施策のコスト / 恩恵を受ける利用者数 = 1ユーザーあたりの改善に係るコスト
これにお得感があるなら開発する価値もあるし、お金かけるほどやる意味が無いなら、やらない判断をしてもらう。そうでない追加は特にやる意味が無いのに、高いというイメージしか持たれないなら、なんか勿体無いですよね。
Webの場合は、この利用者数がすごくハネる可能性が高いので、お得感が高かったりします。いわゆる製造、販売原価 = 量産やデリバリのコストも追加ではかかりませんしね。配備としてのデプロイのコストはかかります。故に、かかるコストが開発者に全部寄ってしまうのもコストが高く見えてしまうコツですねw
あと余談ですが、僕、会社で、他人のPCの購入手配をしたりするのですが、自分で買うなら少々失敗してもいいけど、他人のPC買う時って、すごいカスタマイズするスペックの確認とかに気を使うんですよね。これに対する反論としては、プロであればあるほど、その作業を失敗しないようにする判断力は高くなるので工数は下がるだろと思うかもしれませんが、同時にミスをしないことに対する責任感も高くなってしまうので、そのプロセスはちゃんとしていく傾向になると思います。つまり素人なら、何も考えずに購入していたところを、プロはあえてダブルチェックを入れたり、システム化したり、他の人にレビューしてもらって安全に購入するプロセスを導入したりします。失敗すると大切な顧客の時間も自社の利益や信用も失いますからね。
ここにある「自分で責任を取れること」と「他人の作業をすること」との差異に気がついてない人ほど、アウトソースの見積もりが高いって言う傾向にある気がしますね。そもそも性格が他人依存の傾向が強いほど、そういう判断をしがちなような気がします。是非、ご自身でやってみてから、考えるようにしたら良いと思います。人それぞれ経験ステージというのがあると思うので、そういう経験をしてみてから、失敗したりクオリティがプロにかなわないなぁということに気がついてから、人に頼む有り難みを知るってのは大切なことだと思います。
ただ、本題で書いている単価の認識バイアス問題はそれとは別ですね。飲食にせよ製造業にせよ物販にせよ、いわゆる数物の商売をしている人たち共通の罠かなと思ったりするのですがいかがでしょうか?



