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老人ホームでの入所者転落死事件

川崎市の介護付き有料老人ホームで、2014年11~12月に、入所者の男女3人が、相次いで転落死した事件で、このうち1人をベランダから投げ落として殺害した容疑で、当時この施設の職員だった23歳の男が、15日、逮捕されました。

元職員で、現在は無職の今井隼人容疑者は、殺そうと思ってベランダから投げ落としたと供述していて、他の2人についても、自分が投げ落として殺害した、と認めているということです。

事件が起きたのは、川崎市の有料老人ホーム「Sアミューズ川崎幸町」で、転落したベランダの手すりの高さは、約120センチで、殺害された3人の身長は150~160センチだったので、一人で乗り越えられる高さではない、とのこと。

いずれの日にも、今井容疑者が当直として勤務していました。県警では、変死と扱っていましたが、それぞれの事件で担当者が違いました。

気づいていれば、次の殺害は防げた可能性があります。

事件の背景には、介護現場での人手不足や、低賃金での人材難、研修の足りなさなどが、あると思います。今井容疑者は、職場でストレスがあった、と供述しています。

介護施設では、低賃金で重労働なので、職員が定着せず、慢性的な人手不足になっています。

重労働なのに、他の職種と比べて、月収が10万円も低いのが現状です。事件があった施設でも、介護職員41人のうち、経験5年未満が32人ということです。

2014年度は、21人が退職し、18人を採用している、と報じられています。また、虐待が、相次いでいたこともわかっています。有料老人ホームなどの介護職員たちによる虐待は、急増しています。

2014年度に確認された虐待は300件で、前年より35.7%も増えています。これも氷山の一角で、実際には、もっと多いと思われます。安部政権は、「介護離職ゼロ」を掲げています。

アドバルーンを上げるだけでなく、介護職の人たちの処遇を改善しないと実現はしません。

成長戦略の核として、福祉の処遇を改善し、専門性を高める教育や研修を充実させることが、このような事件を防ぐことになると考えます。今回の事件を特異な例とするのではなく、全容を解明し、問題点を明らかにして、少しでも早く対応してほしいと思います。

超高齢社会の日本で、社会保障全体の中でも介護の問題が、大きいのですから。

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