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米雇用統計・失業率について

今日はやっぱりこの話でしょう。

前回の雇用統計についての記事をご覧になってない方はまず前回の記事をお読みいただくことをおすすめします。

http://jovivi.seesaa.net/article/179623064.html

で、今回。

非農業部門の雇用者数は19万2000人増加。失業率は8.9%と、市場予想(9.1%)に反し、前月の9.0%から低下。民間部門全体の雇用は市場予想の20万人を上回る22万2000人の増加。製造業雇用者は市場予想の2万5000人増を上回る3万3000人の増加。

「景気回復が鮮明に」、「雇用は回復してきた」、「大きく改善」、「米経済回復加速」、「景気上向き」といった言葉がメディアに並んでおりますが、いつもながら私はそう思っておりません。今まで25度だった気温が急に10度になって、それが11度に上がっても、「暖かくなった」とは言わないでしょう。「依然冷え込みが続いてます」とかじゃないですかね。今の状況を伝えるなら、「依然深刻 米労働市場」とか「厳しい状態が続く」とかって表現じゃないでしょうか。

前回の記事でもお話ししましたが、今の時期というのはベビーブーマーのリタイアで失業率計算の分母になる「労働力人口」が低下しているので失業率は自然減していくはずの時期です。ベビーブーマーが引退して労働力人口が減ってるのに、失業率が大して下がらない、高止まりしているということは・・・そうです。若年層の失業率が高いということです。

ちなみに、前月の9.0%から今回8.9%に「低下」した全体の失業率は、20-24歳層では前月の15.2%から増加して15.4%になっています。55歳以上層では前月の6.7%から6.4%に低下していますけれどもね。この層の失業率推移も併せた推移をグラフにしてみましょうか。こんな感じです。

画像を見る

うへーって感じですよね。現在、16-19歳層の失業率は21.5%、20-24歳層の失業率が15.4%、エネルギー溢れる若者の失業率が高い・・・日本と違ってアメリカは若年層比率もそれなりに高いですからね。中東情勢とダブりますね。

やっぱ「依然深刻」なんじゃないですかね。

アメリカの労働市場は劇的に変化し、というか悪化し、今もなお深刻な状況にあります。と私は考えています。どう変化したのか。こう変化しました。

画像を見る

2005年と比べて、アメリカの民間人は1,277万人増えました。これは労働力人口と労働力人口に含まれない人に分けることができます。労働力人口に含まれない人はこの間に884万人も増えました。この労働力人口に含まれない人の中には退職し始めたベビームーマー達や、経済的な理由でパートで働かざるを得ない人、就職をあきらめてしまった人たち、が含まれます。労働力人口の増加は393万人で、これは、雇用者の216万人の減少と失業者608万人の増加の差です。

今のアメリカには1,367万人の失業者と、874万人の経済的理由でパートで働く人たち、641万人の就職を諦めてしまった人(※)がいます。これらの合計は2,882万人です。繰り返しますが、2月の雇用者数は前月と比べて22万人の増加。市場予想の20万人を上回る数字。そうですか。

※641万人の就職を諦めてしまった人のうち去年も就職活動をしていない人は317万人、去年は就職活動をしていたがこの4週間就職活動をしていないという人が323万人います。

20万人の増加・・・遠すぎてめまいがしますよ。その前に若者の暴動が各地で頻発、とかにならないことを祈ります。

ちなみにヨーロッパの話題の国々の現在の失業率はスペインが20.3%、ギリシャが12.4%、アイルランドが13.5%、ポルトガルが11.1%です。スペインはずーーーっと20%以上の失業率が続いてます。米欧の労働市場は引き続き深刻な状況が続いています。

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