記事

続・不動産価格は上がるのか

懸念してたことがやはり現実に。

先日、こちらの記事

http://jovivi.seesaa.net/article/183174129.html

で書いた「不動産価格は上がるのか」の話、記事の冒頭にも書きましたが、やっぱりこのブログを知ってる友人から反論されました(笑)

先日、昔の同僚達と飲んでいる時に、あの記事の話題に。そこにいた連中は、みんな分野は違えど金融業界で働いていて、このブログのことも知っている人たちです。というか結構マメに読んでくれていて大変ありがたい友人たちです。その中の一人からその不動産価格は上がるのかの記事に関して猛烈に反論されまして、酔っぱらってるせいもあってか、「ちょっとひとこと言わせてもらおう!!!」と勢いよく食ってかかられました。

彼いわく、最近の東京の不動産の売買事例を見てると明らかにこれまでと違うと。商いも活発になってきてるし、価格水準も明らかに上がっていると。やっぱり団塊の世代が退職金を手にし、若いころは高くて住めなかった都心の不動産の価格が下がってきたことでこれはチャンスと買い始めているからだと。

・・・まぁ考え方は人それぞれなんだから、そう思うならそれでいいじゃん、俺はこう思う・お前はそう思う、ってだけなんだから、と軽く流そうと思ったんですが、「イヤイヤイヤイヤ、お前が参りました、私が間違ってましたと言うまで諦めん」とどうしてもしつこくって、すげー参りました(笑) めんどくせーなぁと思いながらも、一応昔の同僚だしと思い、ちょっとだけ付き合ってあげました。

あ、ちなみにその彼は、某社で不動産セクターを担当しております(笑)

他のみんなはニヤニヤしながら、私と彼のやり取りを酒の肴にしておりました。私も楽しんでましたけどね。

で、その時に彼にした話を皆さんにもしてみたいなと思いまして今日の記事。

まず私の素朴な疑問は、団塊の世代って本当に都心に住みたいのかねって話。私らは30代半ばでまだ65歳の心境とかが解る世代ではないんですが、30代の私だって、もう田舎暮らしをしたい気になってますからね。実家に帰るたびに、こっちでのんびり暮らしたいなぁって。お前はそうは思わないのか?って彼に聞くと、確かにそう思うことはあると。オイオイ。

超苦労してやっとの思いで手に入れた都心まで2時間の家に住む団塊夫婦が、これまで頑張って頑張って頑張って働いてきて、65歳になって退職して、子供たちももうとっくに独立してて、予想してたよりだいぶ少ない退職金を手にして、「よーし、買った値段の何分の1になっているのか見当もつかないこの家を売って退職金を足して、都心のタワーマンションに住むぞー!」なんて本当に思うのかなって。もちろん中にはそう思う人はいると思いますよ。便利だし、都心に憧れてたし、ってのはあるでしょうし。でも、果たしてみんながみんなそうなんかな、全体としてそういう傾向が見られるのかなと。

私は大変な田舎で育ったので、子供のころに見た景色や遊んだ環境、遊び方なんかは、団塊の世代の人たちとほぼ同じです。海で泳ぎ、川で遊び、カブトムシをとり、舗装されてない道をチャリで駆け、空き地で野球をし、メンコやベーゴマで遊び、駄菓子屋のおやつで栄養を摂ると。擦り傷・切り傷が絶えることは決してない日々。もちろん、そういう環境で育ちましたから私はピロリ菌もバッチリもってまして十二指腸潰瘍になって除菌しましたが・・・団塊の世代の人たちが少年少女だったころは、東京だってそういう遊びをする環境だったはずです。田舎のほうでは団塊の世代も、私の世代も、今の世代も、少年少女時代に見た風景はそんなに変わらないと思いますが、都会は違います。今の風景と昔の風景があまりにも違います。突っ走ってきた現役世代を終えたら、田舎でのんびり暮らしたいって人のほうが多い、とまでは言いませんが、そういう人も結構いるんじゃないかなと。みんながみんなこぞって都心を目指すってことはないんじゃないかなと。

今は昔と違って交通網も発達してますし、毎日六本木や銀座で飲むとか新宿や渋谷で買い物するとかでなければ、無理して東京に住まなくてもいいはずです。やっぱり現役世代のほうが都会に住もうって人が多いんじゃないかなと私は思います。なので、団塊世代が退職していくと、やっぱり都会の不動産需要は減少していくんじゃないかなと。

団塊世代は1947年から1949年に生まれた人たちでおよそ800万人。たった3年の間に全人口の6.3%がいます。1歳から80歳まで均等だとすると1÷80で1.25%ですから3年分だと3.75%くらい。6.3%の団塊世代がいかに多いかがわかります。そして、その団塊の世代の子供たちが団塊ジュニアと呼ばれる世代で、1971年から1974年生まれの960万人、この人たちが4年で全人口の7.6%。私の両親は父親が1947年生まれ、母親が1950年生まれで、私が1975年生まれですから、ほぼこのゾーンです。

今から15年前の1995年というのは日経平均は2万円、1ドル80円の頃で、日本の世帯所得平均が過去最高だった時(95年が664万、今は547万)。この時、団塊世代は46〜48歳、団塊ジュニアは21〜24歳。消費、家の購入、車の購入、もっともお金を使う20-50歳ゾーンに団塊と団塊ジュニアの両方がすっぽりと収まった瞬間です。このインパクトは物凄く大きかったと思います。

というわけで、その飲み会の場では口頭でしか説明できなくてもどかしかった、団塊世代と団塊ジュニアが同時に20歳〜50歳ゾーンに収まる瞬間を、その彼とこのブログの読者の皆さんにお見せしたいなと。

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最初の棒グラフは、それぞれの棒グラフ下の数字が示す各年の年齢階層別人口を表したものです。年齢階層はグラフのすぐ上■の後の数字、各年の一番左の棒は0〜4歳、左から2番目の棒は5〜9歳・・・という具合。一番上の赤い帯には団塊世代がその時何歳か、次の青い帯には団塊ジュニアがその時何歳かを示してあり、棒グラフでも同じ色で団塊世代が含まれる階層を赤い棒、団塊ジュニアが含まれる年齢階層を青い棒、にしてあります。人口は千人単位です。

まず、このグラフをずらっと右に見ていくと、真っ先にわかるのが年齢階層構造の変化。きれいなピラミッド型、角度のついた坂だった1955年から、どんどん角度のゆるい坂になっていき、いつの間にか坂の傾斜が逆になっていき、1955年には右肩下がりだったグラフの形が2009年には右肩上がりの逆向きに変わっています。

黄色い枠が示すのは20歳〜49歳のゾーン。高度経済成長時代の60年代に赤い棒が黄色い枠に近づいていき、70年代に赤い棒が黄色い枠内に突入して20代に入り、青い棒、団塊ジュニアが生まれます。そしてこの赤い棒と青い棒が右へ右へとシフトしていき、日本経済にはどんどん勢いがついていきます。

バブルの80年代から90年に。そして、1995年、まるで日食を迎えるように、団塊世代と団塊ジュニアが黄色の枠に収まります。そして赤い棒は枠の外に出て、日本経済は元気をなくしていきます。2000年、2005年、と進み、2009年には団塊世代がついに退職ゾーンに入り、青い棒も黄色い枠の真ん中に来てしまっています。ここでおさえておいていただきたいのは2009年の青い棒の左側。この青い棒が最後の大きな塊で、この後はどんどん棒が低くなっていくのがわかります。鳥肌もんですよね。20歳〜50歳ゾーンに入ってくる人口はどんどん減り、このゾーンの人口はどんどん少なくなっていきます。

このグラフと時間軸をそろえて、日本の不動産価格の推移を示したのが真ん中のオレンジの折れ線グラフ。全国の市街地不動産価格指数です。一番下の緑の折れ線グラフはさきほどの棒グラフで黄色い枠の中に納まっている人数、20〜49歳の人口です。

いやー、寒気がしますね。これで不動産価格が上がると考えるのはかなり勇気のいることだと思うんですが・・・

その反論してきた彼は、外国勢が買ってるって話を持ち出してきましたが、そりゃあ買う人もいるでしょうけど、結局その不動産、中の人は誰なんだって話です。空の不動産買ってもしょうがないですからねぇ。住居用にしろ、オフィスにしろ、問題は中の人です。中の人が描ききれない状態で、外国勢が買おうが誰が買おうが、不動産価格が上がっていくという話にはならないんじゃないかなと思います。前回の記事にも書いたように、地元国民の国民所得は下がる一方で、人口も増えない、高齢化が進む、実効性ある少子化対策もない、移民の積極受け入れもしない、外人も来ない、金融・物流・運輸センターでもない、では不動産の中身の話が空です。

というわけで、不動産セクター担当のその彼には申し訳ないですが、やっぱり私は不動産価格が上がるとは思えません。まぁ、あくまで私個人の考えですからね。その彼も私の考えなんて気にしなかったらいいんです。どう思うかは人それぞれですし、私がどう思うかなんて不動産価格に影響しませんからね。

これ、また知り合いから反論のメール来そうだなぁw

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