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山口智子の「産まない人生」宣言で考える 子どもを持たない選択した女性にも優しい社会

「それで、子どもの予定は?」

30歳で結婚した筆者は、結婚2年目あたりから、親しい友達やそう親しくない飲み友、行きつけの寿司屋の大将にまで、そう聞かれるようになった。

最初は大変カジュアルなノリだったが、次第にこちらの顔色を窺うような腫れ物扱いな感じになり、結婚5年目に突入しもうじき35歳になる今に至っては、その問いが「不妊症なの?」に聞こえるほどのシリアスさでもって。(文:みゆくらけん)

「人それぞれ、いろんな選択を持っていいはず」

山口智子さんの公式サイトより

山口智子さんの公式サイトより

安心してください、多分産めますよ!と言いたいところだが、「じゃあ、いつ?」と突っ込まれるとモゴモゴしてしまう。

だってぶっちゃけ、「産みたい欲」がいつになっても全然高まらんのじゃい!……そう叫びたかったけど、「産めるうちに産んでおけ」が世間の声。自分の意思で産まない「選択子無し」は少子化に悪影響、エゴイストと囁かれて立場が弱い。

そんな中、子どもを持たない人生を選択したことについて「一片の後悔もない」と言い切った女性がいる。女優の山口智子だ。3月号のライフスタイル誌「FRaU」でロングインタビューに答えた彼女。自身の半生を1万字以上にわたって語った中には、世間がずっと聞きたかったであろう禁断(?)の「子ども」についても語っている。

31歳で俳優・唐沢寿明と結婚した山口は、現在51歳。世間では子どものいない彼女に「仮面夫婦」「不妊治療に通っているのでは?」などとの憶測が飛び交っていた。しかし、山口は今回のインタビューで、子どもについてこうキッパリと言い切っている。

「私はずっと、子供を産んで育てる人生ではない、別の人生を望んでいました。今でも、一片の後悔もないです。人それぞれ、いろんな選択を持っていいはず」

「産んでからの後悔」については誰も語らない

山口は「もちろん、子供を持って初めてわかる感動もあると思います」としつつ、「でも私は、自分の選択に微塵の後悔もない」と強く語る。彼女には「夫(唐沢)としっかり向き合って、二人の関係を築いていく人生」こそが幸せなのだと。山口のこの発言は「潔い!」と、ネット掲示板「ガールズちゃんねる」で反響を呼んだ。

「こんな風に言い切るのは勇気がいるよね。産まない女性にたいして世間はとても厳しいから」
「きっぱりそう言い切れる山口智子と、それを理解して寄り添う唐沢寿明いいなー」

また、「特に称賛されまくる話ではない」としながらも「でもこういう考えや選択が普通に選べる世の中になっていいと思う」という声や、「子供のいない人生を肯定する風潮が広まりすぎると日本が終わっちゃうよ。それもどうかな…」と危惧する声もあった。

「産めるうちに産んでおかないと後悔するよ」と人は言う。あの岡本夏生も、マツコ・デラックスもそんなことを言っていた。子どもを産むということは”未来につなげるべきバトン”であると。

それは、わかる。わかっている。しかし「産んでからの後悔」については誰も言わない。産んでから後悔が発生することはあり得ないのだろうか。そして万が一あったとしても、そこは誰も責任を取ってはくれないのである。なぜなら子どもを産むという行為そのものこそが、無条件で「良いこと」とされているからだ。

「俺たちは未来の納税者を育てているんだ」に絶句

2月15日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)でも、37歳独身の若林史江が、子ども3人を持つ兄と酒の席で言い合いになった時のエピソードをこう話していた。

「『俺たちは未来の納税者を育てているんだよ』と(兄に)言われたときは、ぐうの音も出なかった」

そう、ソレ言われたら役立たずでスイマセンとか、申し訳ないなと感じてしまう。やはり「結婚したら子どもを産む」がスタンダードで、それ以外の生き方は主張しにくい社会だ。

「なぜ子どもを作らないのか」と真顔で聞いてくる人たちは、本気で疑問に思っているのだと思う。なぜなら、その問いかけのベースには「女だったら産みたいに決まっているのに」という考えがあるからだ。

しかし、断言しよう。筆者もそうであるように、全ての女が無条件で出産欲があるわけではない。マイノリティかもしれないが、「産みたくない女」や「産みたいのか産みたくないのかわからない」という女も確実に存在する。

そしてそう思う女の背景には、生まれ育った家庭環境や、母親との確執がある場合が多い。だからこそ「もう散々遊んだでしょ?」等のお門違いの説法にはウンザリで、わかってもらえないだろうなァという諦めと疎外感もある。

産む人も産まない人にも優しい世の中に

事実、山口智子も「私は特殊な育ち方をしているので、血の繋がりを全く信用していない」「私はずっと”親”というものになりたくないと思って育ちました」と語っている。

「子どもを産む理由があるとしたら夫への”ギフト”という意味でしかない」

と以前に語っていた杉本彩も、家族(特に母親)との確執がある。そう、もっと深いところに、「産まない」理由はあるのだ。

筆者は今後子どもを産むのかどうか、今のところはわからない。自然な気持ちに任せようと思う反面、焦りの気持ちもある。「吸う人も吸わない人もここちよい世の中へ」(JTのコピー)じゃないけど、産む人も産まない人にも優しい世の中になってほしいと願う。

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