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新国立競技場で住民移転迫り――都がアパート解体を通知

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退去期限の1月30日を前に霞ヶ丘アパートで引っ越し作業をする人。(1月29日。撮影/永尾俊彦)

2020年東京五輪・パラリンピックのために国立競技場が建て替えられるのに伴い、東京都は近隣の都営霞ヶ丘アパートを公園にする予定で、住民に1月30日までに別の都営アパートへの移転を求めている。しかし、「かかりつけの病院が遠くなる」など条件があわず残っている2世帯3人の住民は、移転を求める法的な根拠や公園にする理由の説明などを求める文書を1月6日に都に送った。

これに対して都は同月18日、舛添要一都知事名の文書で、明け渡さないと提訴するとか、1月末で共用部分の電気契約は終了、2月から解体工事を始めるなどと住民に通知した。共用部分の電気が止まるとアパートの給水塔への揚水ができなくなり、水道が使えなくなる。住民側は、翌19日に再度文書を送り、改めて説明を求め、2月1日以降も住み続けるので共用部分の電気契約終了は認められないことなどを都に伝えた。

なぜ、2月から解体することを1月18日まで住民に知らせなかったのか。都市整備局の担当者は筆者の取材に、「1月末までに移っていただくことになっており、2月から解体することは特に知らせる必要がないからです」と答えた。解体工事は全10棟のうち住民が移転した棟から始めるが、まだ工事の入札はしていないという。また「法的な根拠は都営住宅条例の『知事が管理上必要があると認めるときに明け渡しを求めることができる』という規定です」と答えた。

だが、借家問題に詳しい日置雅晴弁護士は、「その規定が都知事が無制限に明け渡し請求できるという主張なら違法になると思います。都条例は、公営住宅法に基づいており、同法の規定で住民に退去を求めることができるのは建て替えの場合です。今回のようにアパートを解体して公園にするような前例はなく、そう簡単にはいかないだろうと見ています」と指摘した。

(永尾俊彦・ルポライター、2月5日号)

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