- 2016年02月15日 13:30
企画2カ月でスマホ発売! 孫正義を射抜いた女子社長【2】 -対談:UPQ社長 中澤優子×田原総一朗 - 田原総一朗の「次代への遺言」
2/2企画から2カ月で24製品を発表
【田原】UPQの商品発表は8月です。企画から2カ月で発表というスピードにまず驚きますが、スマホだけでなく家電も含め計17種24製品を発表した。これはどうして?
画像を見る2015年のシーズンラインナップは17種24製品。カラーは流行色のグリーンで統一した。
【中澤】量産を決めて発注してしまうと、あとは待つしかありません。その間、ポカンとしているのはつまらないので、いろいろつくっちゃいました。たとえばきれいな写真も撮れる14メガのアクションカメラや、タッチパネルの透明なキーボードを。
【田原】透明のキーボードが今、目の前にあります。これはどんな利点があるのですか。
【中澤】やだ、田原さん、利点は重要じゃないんですよ。これは見た目が未来っぽくてカッコいい。ユーザーのみなさんに使ってみたいなと思ってもらうこと。それが大事なんです。
【田原】そういうものですか。製品はみんな薄い緑色ですね。
【中澤】色を揃えたのは、UPQから世の中に対しての「はじめまして」の挨拶です。ですから、グリーンがコーポレートカラーというわけではなく、色は毎シーズン替わります。ファーストシーズンがグリーンだったのは、今年の流行カラーだったから。じつは、今年の流行を取り入れられるというのがUPQの強みの1つです。大手の携帯は企画から発表まで2年かかりますが、うちは2カ月。だから実際に流行っている色を確かめてから製品化できます。
【田原】ほかにはどこに強みがありますか。価格は大手に比べて安い?
【中澤】スマホは大手なら2万数千円くらいで、UPQは1万4500円。さっきのアクションカメラだと、大手が4万円前後で、UPQは1万5500円です。機能を抑えていることもありますが、同じスペックでも、私たちは人を抱えていないし、開発時間も短いぶん安くできます。
【田原】売れ行きはどうですか。
【中澤】ありがたいことに全商品、もうすぐ完売です。スマホやアクションカメラなど増産した商品も多いです。最初に「DMM.make STORE」に置いてもらったり、蔦屋家電さん、ビックカメラさん、ヤマダ電機さんなどあちこちから声をかけていただいたことが大きかったですね。
こだわりがあれば心に引っかかる
【田原】こう言っちゃ何ですが、UPQはまだ実績がなくて無名です。どうして量販店が目をつけたんだろう。
【中澤】担当の方は、モノはたくさんあるけど、目新しいものがなくて売り場がつまらなくなっているとおっしゃっていました。稀少価値のあるものを置いてみたいということで、声をかけてくださったようです。
【田原】商品がほぼ完売したということは、販売の機会ロスがあったと考えることもできます。第2シーズンはもっとたくさんつくるんですか。
【中澤】次は2月に出ますが、私の中ではまず売り切ることが目標です。いくら儲かるからこれだけつくろうというようなビジネスライクなやり方はあまり考えていません。
【田原】おもしろい。中澤さんはあまり商売っ気がないね。あなたにとってUPQの仕事はいったい何だろう。
【中澤】ライフワークとか趣味みたいなものですね。ものづくりをしていれば何か問題が発生してつらい思いをすることはあります。そのときに「仕事だから」という割り切りでは、きっと乗り越えられない。つらいことも自分なりに咀嚼して前に進めるのは、やっぱり好きだからなのだと思います。まあ、趣味といっても、私の場合は嗜む趣味ではなく、命をかけてやる趣味かな。
【田原】会社を大きくすることには興味はない?
【中澤】大きくなると、ある人はカメラの一部、ある人はガラスというように分業化されて、自分が何をつくっているのか見えづらくなります。私はそれを“冷たいものづくり”って呼んでいますが、そうやってできたものはすぐ飽きられて捨てられがちです。それはやっぱり悲しいので。
【田原】逆に、どうすれば捨てられない商品ができると思いますか。
【中澤】つくった人のこだわりが見えるといいなと思います。たとえば機械が壊れるときに、「長い間使ってくれてありがとう」というメッセージが出てきたら、ちょっとホロッとしませんか。実際にユーザーがそのメッセージに気づくかどうかわからないけど、細部につくった人のこだわりがあれば、どこか心に引っかかるんじゃないでしょうか。
【田原】最後に1つ、失礼なことを聞かせてください。中澤さんは若くてきれいだから、広告塔的存在にすぎず、バックにほかの人がいると疑われたりしませんか。
【中澤】よく言われますが、気にしていません。私は私のことを好きになってもらうより、UPQの商品はいいよねって言われたい。そもそもUPQの商品は私1人の力ではなく、中国や韓国の仲間に支えられてつくられています。彼らにとっても、商品を好きになってもらうことが何よりうれしいはず。私自身の評価や評判はどうでもいいと思っています。
【田原】わかりました。これからも頑張ってください。
田原氏への質問:女子扱いされることが我慢できません
画像を見る【田原】僕は男性と女性には違いがあると思っています。たとえば僕は恋愛相手として女性を選んでいます。それは意識した結果ではなく、自然にそうなっている。なかには同性を好きになる人もいますが、それを含めて本能です。
中澤さんを見て「美人だ」と思うのも、自然な感情の1つです。そうした感情を表に出せば、セクハラになりかねない。性差を理由に扱いを変えれば差別です。ただ、それにとらわれて足踏みするのはもったいない。社会としてセクハラや性差別に対処することは大事ですが、個人としては「言いたい奴には言わせておけ」とか、「むしろ性差を武器にしてやる」というくらい図太い人のほうが出世します。どう乗り越えるかは本人しだいです。
遺言:気にするな。図太い人が出世する
田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年よりフリーのジャーナリストに。若手起業家との対談を収録した『起業のリアル』(小社刊)ほか、『日本の戦争』など著書多数。
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