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上がる不動産、上がらない不動産

バンクーバーの不動産事情は相変わらず活況が続き、1月のバンクーバー地区の不動産価格の動向をみると戸建が前年同月比25.9%アップ、コンドミニアムが15.9%アップとなっています。バンクーバーの様に市場が成熟したところでもこれほど価格は上昇しているのです。そして、この上昇トレンドは1986年の万博の時から30年という長期的トレンドでほぼ右肩上がりなのです。それらのデータは一般の人に来年も再来年も上がる、と信じ込ませるには十分な証拠でしょう。

知人がこの高値の不動産を先日売却しました。売り出しをしてから数日で売却し、あっという間に引っ越し、新たに購入した人が入居していました。このスピード感覚ならば株式の売買が3営業日で換金できるというスピード性の優位が揺らいでしまい、冗談のようですが、大して変わらなくなってしまいます。

その友人が自宅を売却した理由が振るっています。サンフランシスコで仕事が決まったので当地のコンドミニアムは維持しながら現地で賃貸しようと思ったら現地の賃貸物件があまりにも高く、ここを売って現地で購入することにした、というのです。私はカナダドルが米ドルに対して72%ぐらいと極端に安い時期なのでもったいないとも思いましたが、世界の一部地域では高値が高値を呼ぶ展開にあるとも言えそうです。

サンフランシスコとバンクーバーの共通点は二つ。一つは太平洋側に面していること。これはアジアパシフィックの時代にあることを意味しています。二つ目は人がそこに流入することでしょう。サンフランシスコの場合、シリコンバレーを背後に控え、マネーとビジネスがどんどん入り込み、能力ある人の流入が止まらない西海岸ビジネスの中心であります。

バンクーバーの場合、世界で最も住みやすい街の一つと言われ、不動産投資も兼ねた個人マネーが入り込みやすい環境が30年間にわたる健全な市場を支えています。アジアからは最も近い北米の都市であります。北米最大のインド人コミュニティやバンクーバー経済を支える中華系マネーの支えもあります。そして移民権を取得すれば個人資産の分散化も図れるというメリットもあります。

両地点とももう一つの共通点は英語圏であり、LGBTを含め、文化的、社会的に世界の多くの国の人に受け入れやすい環境が整備されている点もあります。つまり、ニューカマーであってもサプライズが少なく、移民を暖かく迎え入れてくれる素地があるのです。逆に言えば実力主義ともいえましょう。

では日本の不動産はどうでしょうか?ある人とバンクーバーと東京の不動産、どちらが得、という話になったのですが、ざっくり商業不動産をみれば仮に価格差が少なくても東京はバンクーバーの10倍の人口密度があるから商業不動産は東京が有利、だが、住宅になると別、という結論でした。

私は日本の不動産については一部地域では上昇が見込めるが、今後、はっきりした濃淡がつくと考えています。サラリーマンが購入する神奈川、千葉、埼玉の不動産については駅前の商業不動産以外は全く興味がありません。都内でも山手線の中か外側でも淵のエリアのみ上向きが期待できますが、それ以外は注目していません。理由は何度も言いますが、不動産購入者人口が少なすぎること、不動産購入出来る所得層が少なすぎること、不動産会社が新規物件を作り過ぎていることが挙げられます。

特に日銀がマイナス金利を導入し、今後、そのマイナス幅を増大させることを匂わしています。これは不動産開発会社にとっては福音となりますが、実はとてつもない毒が含まれています。開発コストの一部である金利負担が下がることで不動産会社はより開発攻勢を強められ潜在的な供給増を生みますが、もともと人口が増えていないのに必ずどこかで壁にぶち当たることになり、日銀は不動産供給を異常に増やす悪役を担っているのと同じなのです。本来であれば今は供給を減らす時代にあるはずなのですが。

よって、私は日本の不動産は日銀の政策ゆえに今までのポジティブからニュートラル、ないし円の動向によってはネガティブに「格下げ」せざるを得ないとみています。

マネーの達人が多いユダヤや中華系の動向はそれなりの意味があります。日本にマネーが向かない理由とはやはり独特の個性故なのだろうと思います。よって、観光目的ならば今後も訪日客は増えるでしょうが、移民も来ないし、海外からの不動産投資マネーも商業物件など一部に限定されるとみています。

では今日はこのぐらいで。

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