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「挨拶としての握手」

2015年11月6日のブログで、「朝貢外交?」―握手と挨拶の仕方―と題し、日本の経済界の首脳が中国の李克強首相に握手をしながら頭を下げている新聞報道にコメントしたことがある。

雑誌「Voice」2月号に勢古浩爾(こうじ)氏が「両手握手はみっともない」と題して、握手の仕方について書かれていたので無断で引用させていいただく。その上に私の意見も追加してみた。

握手の基本作法は、まず立場上の上位者から手を差し出し、お互いに相手の目を見ながら片手ですること。頭を下げてはいけない。男は女の人に握手を求めてはいけない。握手の時はしっかり手を握り合うことも大切なことである。

ロシア人など、こちらの四本の指が骨折するのではないかと思うほど力を込めて握ってくるが、これは極端としても、しっかり握ることは必要で、まったく力を入れない握手は礼儀に欠けることになる。

イスラムや仏教徒の女性は握手の習慣がないことも知っておく必要がある。女性の場合は、相手が握手を求めるか否かを見定めてから手を出すべきである。

本文中にいくつかのエピソードが書かれているので、引用させていただく。

松井秀喜がヤンキ-スに入団し、当時のオーナーのスタインブレナーに挨拶をしたとき、握手をしながら頭を下げる松井に、スタインブレナーが「頭は下げるな」といったことは有名(?)である。

2009年に小沢一郎率いる大訪中団が胡錦濤に合ったとき、片手を差し出す胡錦濤に、民主党の多くの政治家たちは媚びへつらうように両手で相手の手を包み込むように握手しながら頭まで下げた人もいた。これこそ朝貢外交そのもので、宗主国の人間に植民地の人間が謁見するようで、日本国民として恥ずかしい限りである。

最近、アピールするためか、日本ではお互い同士、両手で握手する方々がいるがこれはいただけない。又、握手をするとき、これは女性に多いのだが、手を差し出すだけでまったく力を入れない人がいるが、これも心のこもらない何かの生肉を握っているようで、気持ちが悪いものだ、是非、心を込めて軽く握り返してほしいと勢古氏は述べている。

なぜこのような事を書くかというと、国内のニュースも世界中でテレビ放映される機会が多くなり、この奇妙な握手の仕方は、誤った日本の印象を世界の視聴者に与えてしまうからである。

昨年、パリの空港のラウンジで待機中、たまたま政治家の靖国神社への集団参拝の映像が長く放映されていた。フランス語なので内容は不明だが、黒服に身を固めた数十人の政治家が列をなして歩く姿はまるで「ヤクザ」のようで、異様な光景であった。私は靖国参拝に異論はないが、一人一人が心を込めて参拝するべきで、あのような集団行動は諸外国に誤った印象を与えてしまう恐れがある。

最近、東芝や大学病院、その他多種多様な企業や団体のお詫び記者会見で、複数の関係者が調子を合わせたような謝罪の頭の下げ方も外国人から見ると異様な姿で、歌舞伎の海老蔵など、何分も頭を上げないことが反省の表明とばかりに長く頭を下げ続ける姿が報道されることもおかしなことである。

また、事件の後、第三者による検証委員会を設置して真相を解明するというのも記者会見の定番で、それによって問題が一件落着のような印象を国民に与えることもおかしなことである。

労働組合や共産党の大会等で「頑張ろう!」と握り拳(こぶし)を突き上げるパフォーマンスがあるが、最近は自民党まで挙を突き上げ「頑張ろう!」とやっていることに違和感を持つのは、私だけだろうか?

どうも主題の「挨拶としての握手」から、最後は老人の繰り言になってしまった。

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