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アングル:米国株、相場急落受け小型株の選別物色始まる

[ニューヨーク 11日 ロイター] - 最近の米国株の大幅な下落を受け、一部の投資家は小型株の一角を選別した上で物色し始めている。だが小型株全体が持ち直すには、しばらく時間がかかりそうだ。

小型株で構成されるラッセル2000指数<.RUT>は経済的な「炭鉱のカナリア」とみられている。景気拡大局面では小型株が相場の上昇を先導する傾向がある。だが小型株の大半は利幅が薄く、負債に依存しているため、景気後退に至る局面では最初に売られる傾向もある。

ラッセル2000指数は現在、昨年6月の高値から27%低下し、構成銘柄の4分の3程度は2割以上値下がりしている。このため小型株は名実ともに弱気相場の領域で推移している。

だが一部の投資家は、安値拾いの買いへ向け銘柄の選別を開始している。リッパーのデータによると、企業の規模に関係なく株式に投資する「オールキャップ型」ファンドの運用担当者は、小型株への資産配分比率が20%を超え、過去3年で最高となった。

コザド・アセット・マネジメントの投資アドバイザー兼ポートフォリオマネジャー、ブライアン・エバンス氏は「少なくとも米国では現時点で小型株が最も有望にみえる」と述べた。

小型株は相場の急落で以前より割安になっている。ラッセル2000指数構成銘柄は向こう1年の業績予想に基づく株価収益率(PER)が現在、平均20倍となっており、昨年6月時点の25.8倍から低下して小型株としては過去のバリュエーションに沿った水準で推移している。

もっとも景気悪化が長期化するリスクと全般的な株式相場の下落により、投資家は小型株全体を買うことには二の足を踏んでいる。このため個別銘柄を選別する動きが進められているのだ。フェデレーテッド・カウフマンで小型株ファンドを運用するスティーブ・デニキロ氏らの投資家は、個別株選別のため企業の動向を注意深く調査している。

デニキロ氏は「こうした状況の市場ではセクター分析は不可能であり、特定の銘柄ごとに調べることになる」と指摘。最新のリポートでは、同氏のファンドは分子診断検査会社ベラサイト<VCYT.O>や家庭セキュリティ会社アラーム・ドット・コム<ALRM.O>などを購入している。同氏は、フリーキャッシュフロー拡大へ向けた道筋がはっきりしている企業を探していると説明した。

小型株は値動きが比較的激しい面がある一方、総じて国内に重点を置いて事業を展開しているため、外国為替相場の変動による影響を受けにくい。このことは、大型株のようにドル高が業績に打撃を及ぼす事態を回避する上で役立つ。

小型株はまた、市場の変動が高まったことで恩恵を受けている。RBCキャピタル・マーケッツのジョナサン・ゴラブ氏が最近の顧客向けノートに記したところによると、投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX)<.VIX>は現在28で推移しているが、VIXが15を超える水準では、小型株で構成されるS&P600種指数<.SPCY>はその後の2─3カ月にわたってS&P総合500種をアウトパフォームする傾向にある。

当然ながら小型株には追加的なリスクが伴う、と話すのはバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのシニア米国株ストラテジストのダン・スズキ氏だ。

小型株は借り入れに依存する度合いが比較的大きく、大型株よりも財務基盤が弱い傾向がある。スズキ氏は、現在の市場は信用度の低い企業には厳しという要素が当面、「小型株の相対的なパフォーマンスにかなり悪影響を及ぼす傾向が生じるだろう」と話した。

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