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今国会では政策議論は存在しえないのか?

内憂外患、この言葉はまさに現在の我が国のためにあるような言葉である。「外患」の方は、直近の話であれば、北朝鮮によるロケット発射であるが、中国の更なる台頭、中東の混乱、米国大統領選、そしてとりもなおさずTPPと、枚挙にいとまがない。

 安全保障ということで考えれば、今回の北朝鮮によるロケット発射は我が国の安全保障環境を大きく変えるものではない。仮に北朝鮮が我が国を攻撃しようとするのであれば、既に配備されている中距離ミサイルで十分である。ちなみにその数は、200発とも300発とも言われている。北朝鮮は核保有国でありそれらに核弾頭を積まれて発射でもされたら、我が国はひとたまりもない。(しかも、端的に言って、ミサイル防衛システムは役に立たない。)つまり、もっと以前より北朝鮮の脅威にどう対処するか、もっと言えば、我が国を取り囲む4つの核保有国、すなわち、北朝鮮、中国、ロシア、そしてアメリカにどう対処していくのか、真剣に考える必要があったのだが、そうした現実から目を背けてしまってきた。要は、外憂を放置して、増殖させてしまってきたということであり、此の期に及んで遥か彼方へ飛んでいく長距離ロケットに付和雷同している場合ではない。(今回のロケット発射で都道府県レヴェルまで騒いでいたようであるが、どうせ騒ぐのなら、日本の自主防衛力の強化について国民的な議論を提起すべしとの地方議会の決議でも出ていればまだましだったと思うが。)

 つまり、こうした「外患」を正確に「読み」、適時適切な対処方法を考えることが出来ない、その基礎となる議論が出来ていないということ自体が「内憂」ということになるわけだが、昨今の国会での議論や政治状況を見るにつけ、「内憂」はそれ以前の水準にあるようだ。

 甘利元大臣のあっせん利得疑惑に始まる一連の与党側の不祥事(与党とまとめてしまうと公明党には申し訳ないが)、似たような疑惑で遠藤五輪担当大臣が追求され始めたと思ったら、今度は岩城法相と石原経済再生相がまともに答弁ができないことが明らかとなり、野党の追求の的となっている。加えて、その他の閣僚の失言も甚だしい。島尻大臣の自分の担当分野の固有名詞が読めないというのは論外として、丸川環境大臣の失言はいかがなものか。国会で「恥を知れ!」といった野次を大声て飛ばしていた過去からすると、勢い余って言ってしまったのだろうが、大臣という立場である以上、発言は慎重に言葉を選ぶべきで、「失言でした。」では済まされない。今すぐ辞任までする必要はないと思うが、逃げずに説明、謝罪等を行うべきであろう。

 一方、高市総務大臣の放送局への電波停止発言、確かに、法令の規定の関係性を解説的に述べたものと考えることはできるが、政府参考人(役人)が一般的な法令の仕組み、解釈として説明したならばまだしも、所管の大臣としてその可能性に触れてしまったのでは、一般的な説明ではなく、法令所管の大臣としてそのようの運用もありうべしとしたのと同じだととられても仕方あるまい。

 安倍内閣の閣僚、閣僚としての発言の重みをどう考えているのだろうか?

 他方、国会議員への育休導入を主張していた議員が、その妻が出産入院中に地元で不倫などというのは問題外で、自民党のみならず、国会議員の品位と信頼を貶める行為と評せざるをえない。結局、国会議員の育休提案は、一億総活躍の一環に見せかけて自分を目立たせたい、そのためのパフォーマンスだったのではないかと考えられても、釈明はできまい。(そもそも、宮崎議員は一億総活躍関連政策に中に、国会議員の育休につながるような施策のタマを入れるべく奮闘するといった、国会議員としてありうべき行動をしていたのだろうか?会議を開きました、では単なるパフォーマンスの延長線上に過ぎない。加藤大臣を筆頭に、仮に一億総活躍を真面目に考えていたとして、まあ見事に顔に泥を塗られたものだ。)

 こうした不祥事という「ニンジン」がぶら下がる中、民主党を中心に、野党は与党への攻勢を強めている。そうした野党側の姿勢を「対案が云々」という意見がある。確かに、単なる足の引っ張り合いは来年の国民の税金の使い道について議論すべき予算員会で過剰に行うべきではない。しかし、与党側がそんな状況では、野党からしても暖簾に腕押しといったところであろう。野党が云々言う前に、与党が政権側としてしっかりしなければ、政策議論など成立しようがないだろう。

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