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アングル:韓国で進む中国人観光客の「高級ブランド」離れ

[ソウル 5日 ロイター] - 韓国を訪れる中国人観光客のうち、若い個人旅行者の占める割合が大きくなっており、ルイ・ヴィトンやシャネルなどの世界的な高級ブランドより、安価な韓国製品に人気が集まっている。

ドラマやKポップから食べ物やファッションに至るまで「韓流」に引きつけられている価格に敏感な若い中国人観光客は、本物だが高価ではないショッピング体験を求めている。

韓国は、中国人にとってタイに続く人気の海外旅行先であり、「爆買い」は韓国が世界最大の免税ショッピング市場となるのに寄与している。

中国政府が汚職や浪費に対する取り締まりを強化するなか、中国人観光客の価値を重視する傾向は、同国での売り上げ減速とすでに格闘している世界的な高級ブランドに一段とプレッシャーを与えることになるだろう。

「有名ブランドはどこでも買えるし、韓国よりも他の国で買った方が安い。ここにいるなら、韓国のブランドを買うべき」と、首都ソウルの若者に人気の弘大で買い物をする女性(21)は語る。

HSBCのデータによると、世界的ブランドの人気商品における韓国の平均価格は中国本土のそれよりも安いが、欧州やシンガポール、ドバイよりは高い。

ソウル市内にあるロッテ免税店の店舗や新羅ホテルが経営する免税店では、LG生活健康の「ザ・フー」とアモーレパシフィックの「雪花秀」という化粧品ブランドが昨年に最も売れた商品で、ルイ・ヴィトンやシャネル、カルティエを上回った。

「これは必ずしも高級ブランドが安価な商品を発売しなければならないことを意味するわけではない。だが、あらゆる価格設定が妥当でなければならないことは確かだろう」と、HSBC(香港)のアナリスト、エルワン・ランブール氏は指摘する。

韓国を訪れる中国人観光客の数は昨年、致死率の高い中東呼吸器症候群(MERS)流行のせいで2.3%減少し、約600万人だった。しかしCLSAは、昨年9月からは再び増加しており、今年は前年比28%増加するとみている。韓国政府も今年の中国人観光客数が史上最高の800万人に上ると予想している。

<新世代>

政府系シンクタンク、韓国文化観光研究院によると、中国からの韓国訪問者は若い世代が増えている。20─30代の占める割合は2013年の40.9%から、昨年は46.1%にまで増加した。

年配の世代が通常、団体旅行で彼らに合った店に次々と連れて行ってもらうのに対し、2000年以降に成人、あるいは社会人になる中国の「ミレニアル世代」は自分の欲しいものに関して情報通で、個人で旅行し、上の世代と比べてショッピングにお金を使わない。

「韓国で何を買うかを調べるのに携帯を使っている。中国の女子の多くは韓国製品が好き。ほとんどの製品が安くてかわいいから」と、20歳の女性は話す。

ロッテ・ショッピング<023530.KS>が経営するロッテ百貨店の担当者によると、中国人観光客の急増がその差を埋めてはいるものの、1人当たりの平均的な消費額は、2013年の90万ウォン(約8万7000円)から、昨年は50万ウォンに減少したという。

「これまでの世代はやみくもに高級品を買っていたのに比べ、若い世代はもっと価格に敏感な消費傾向にある」と、KBインベストメント&セキュリティーズのアナリスト、Yang Ji-hye氏は指摘した。

(Minwoo Park記者、Joyce Lee記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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