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「がん治療」通院中の働き方と必要経費

大塚常好=構成

【1】手術・入院となったとき。会社への連絡は

管理職の立場にあり、入院・治療中でもどうしても携帯電話やメールでのやりとりが不可欠だという人の場合、どうしたらいいのだろう。

「医師から事前に説明を聞き、◯日から◯日までは抗がん剤治療中で電話やメールに応答することができない、といった情報をあらかじめ会社に報告しておくといいでしょうね」と語るのは、就労世代のがん患者における就労・雇用の実態の調査・支援などを行うCSRプロジェクト代表で、自身も乳がん治療をした桜井なおみ氏。

人によっては休職して治療に専念。仕事のことは一度忘れて、気持ちをリラックスさせる手もあるだろう。

しかし、治療でしばらく時間が空いてしまう場合、完全に会社のことを忘れてしまうのは復職時のハンディとなる。そのため、休職時にも会社と一定のコンタクトをとることが重要だ。

「休職時にも毎月、給与明細書などの書類が会社から送られてきます。必要な税金や社会保険料を支払ったり、ハンコを押して返信したり、会社とのやりとりが生じます。このとき大事なのが、何でもいいので一言添えること。感謝の意を述べたり、『最近、薬の副作用とのつき合い方もわかってきたところです』『復職に向けて必死にリハビリ中です』などと近況を報告したり。ちょっとしたコミュニケーションによって自分と会社との接点ができて、復職後に働きやすい環境を自ら整えることができます。私たちはこれをドント・フォーゲット・ミー・レポート(私を忘れないで)と呼んでいます」(同)

休職時に自分が関わっていた仕事のことを考える余裕が生まれたら、同僚などから、プロジェクトの進捗状況などをCCメールで送ってもらってもいい。同僚にも気持ちが伝わるし、よりスムーズな復職が実現するだろう。ただ、全部のメールをチェックするのは心身ともに疲労するので、返信が必要なメールには「要返信」と書いてほしいなどの希望を伝えて、調整するのがポイントだ。

一方、休職時のソーシャルネットワーキングには注意したい。療養中に他人の楽しそうな姿を見せられても、落ち込む要因となるだけだ。また、調子がよくてランチやディナーに出かけた、などと、自分の近況を書き込むのも控えたほうが無難だろう。

「最近、会社によっては復職の判断材料にフェイスブックなどを利用するところもあります。休職手当をもらって、あちこちで飲み食いしている、なんて知ったら怒り心頭に発しますよね。休むということは、他の社員に少なからず負担をかける。行動には注意が必要です」(桜井氏)

【2】通院中の働き方と、必要な経費

職場に復帰したら、「仕事をする自分」から「仕事もする自分」へと変わろう。桜井氏はそうアドバイスする。

「がんになる前のように戻りたいと願っても体力的に難しい部分があるかもしれません。しかし、それは挑戦してみないとわかりません。想像で足を止めるのではなく、どこまでできて、どこができないのかをシミュレーションするといいでしょう」

仕事は優先順位を決め、他の人に任せられる部分があれば助けをお願いしてみる。明日やればいい仕事は明日に回す。そんな働き方がいいそうだ。

ただ気になるのが治療費だろう。

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桜井さんの8年半の医療費¥4,299,960

乳がんが見つかってから8年半の間に桜井氏が払った手術代や薬代などは、総計約430万円(図を参照)。月額にして4万円強。治療費や薬代以外の備品(かつら代など)が意外にかかり、ボディブローのように家計に響いてくる。

会社員なら、傷病手当金が出るか確認し、さらに高額療養費制度の利用、確定申告で医療費を取り戻すことなどが大事になる。

CSRプロジェクト代表 桜井なおみ
1967年、東京都生まれ。30代でがんの診断を受ける。自らの経験や社会経験から小児がんや働き盛りのがん経験者支援の必要性を感じ、患者・家族の支援活動を開始。日本でのサバイバーシップを広げるべく、東奔西走中。

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