- 2016年02月04日 11:00
大河ドラマ好調! 日本人は「真田幸村」に何を学ぶべきか
中小企業の経営者にもあてはまる戦略家
大河ドラマ『真田丸』が好調な滑り出しで、今後の展開に期待が高まるところ。真田幸村といえば、小大名だったにもかかわらず、大坂の陣で徳川の大軍を少数で翻弄した闘いぶりがつとに有名だが、その幸村の戦上手を現代に置き換えると、まるで中小企業の経営者にもあてはまるような戦略家の面が見えてくる。
画像を見る 『新装版 真田幸村』(プレジデント社刊)経済評論家の江坂彰氏は、そんな幸村をこう読み解く。
《幸村にとって状況は、まさに現在の日本のように「経済(全体)は駄目。だからこそ経営(個々)はおもしろい時代」だったと言えるだろう。経営者にたとえれば幸村はベンチャー型で、金や地位より「自己実現」に喜びを見いだしていた。幽閉されていた14年の間、腐らず体力を養っていたこともそれを示している。
いまわれわれは真田幸村に何を学ぶべきか。現代風に言えば「選択と集中」こそ最も学ぶべきものだ。「選択と集中」は弱者の戦いである。圧倒的な劣勢のなかで、幸村は徳川方の最大の弱点を的確に捉え、それを衝くことに集中した。
和議が決裂し再び始まった戦闘。その「夏の陣」でも家康は必ず出陣する……、幸村はそう読んでいた。なぜなら、大軍勢を誇る徳川軍とはいえ、それは大御所・家康がいてこそまとまる組織。将軍の座には二代目の秀忠を据えたものの求心力に乏しく、72歳の家康みずから老体を押して出陣する必要があった。
幸村は、そのことこそ徳川軍最大の弱点だと見抜いていた。家康さえ倒せば戦局はどう動くかわからない。幸村はそこに集中した。
晩年の約半年間で後世に名を残す名武将
その目的達成のために幸村は緻密な計算を怠らなかった。一つは優れた情報網の構築。情報網を駆使して家康の居場所をキャッチする。身の安全を図り、次々に陣を移す家康。徳川軍にとってさえ最高機密である大御所の現在地を、正確に把握していた。だからこそ後世、猿飛佐助や霧隠才蔵ら「真田十勇士」と呼ばれる忍者たちの伝説も生まれたのである。
さらに、幸村は家康の本陣に最後の突撃を敢行したとき、二人の影武者を用意している。自分自身が斬り倒されることなく敵陣の最深部まで到達するための策だ。最初に述べた「冬の陣」での活躍の際も、種々の奇襲を仕掛けている。このように、幸村が戦闘において常にイノベーションを図っていたことも、注目し、学ぶべき点だと言えるだろう》『新装版 真田幸村~「弱者」の必勝戦術ここにあり』(プレジデント社刊)より抜粋。
「経営者は我慢が大切」とよく言われる。幸村も、14年(!)の幽閉期間の間、おそらく何度もくじけそうになっただろうし、密かに諦めたこともあったかもしれない。だが、ひたすらに我慢した。そして来たるチャンスを的確につかみ、言うなれば晩年の約半年間の功績だけで、後世に名を残す名武将となったのである。
「弱者」には弱者の戦い方があり、それは「必勝戦術」になる可能性を常に秘めているのだ。
リンク先を見る『新装版 真田幸村』(プレジデント社)[著] 江坂 彰 , 白石 一郎 , 百瀬 明治 , 土門 周平 , 南原 幹雄 , 滝口 康彦 , 新井 英生
わずか約2500の軍勢で3万8000の徳川大軍を翻弄し退けた知謀の男とは何者だったのか!? 名著者たちの論考でその実態に迫る、「日本一(ひのもといち)のつわもの」を読み解くためのアンソロジー。
- PRESIDENT Online
- プレジデント社の新メディアサイト。



