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自宅で危険ドラッグ密造・・・その危険性を見落とすな

危険ドラッグの所持で逮捕された男性が、自宅で薬物を自ら製造していた疑いで再逮捕されました。

<ニュースから>*****
●自宅で危険ドラッグ製造容疑、NHKアナ再逮捕
関東信越厚生局麻薬取締部は29日、NHKアナウンサーのT容疑者(37)(東京都文京区)を医薬品医療機器法違反(指定薬物製造)容疑で再逮捕した。

同部幹部によると、T容疑者は今月上旬、自宅マンション室内で、指定薬物を含む危険ドラッグの液体を製造した疑い。

同部は今月10日、自宅で危険ドラッグを所持したとしてT容疑者を同法違反(所持)容疑で逮捕し、自宅内から原料とみられる粉末や液体を押収。同部はT容疑者がインターネットなどで製造方法を学んだとみて調べている。

YOMIURI ONLINE 2016年1月29日 13:23
*****

男性の自宅で押収された指定薬物の内容は、当初から明らかにされていませんが、TVニュースが報じた映像などからみると、亜硝酸エステル類(ラッシュ)ではないかと思われます。しかし、市販品の容器ではないことや、ガラス瓶の底に沈殿物のようなものがあることなど、一般に出回っているものとは少し違う外見が気になっていましたが、自分で製造したとすれば、なるほど納得がいきます。

危険ドラッグなど規制薬物に対する取締まりが厳しくなり、入手が困難になれば、自分で作ろうと考える人も出て来ることでしょう。たしかに、インターネットを検索してみると、いろいろな薬物の製造方法らしき記事や動画が見つかります。こうした情報を眺めていると、案外簡単に作れそうな気がしてくるかもしれません。

でも、忘れてはいけないのが、薬物密造にともなう様々な危険です。

薬物密造に使われる原材料には、揮発性の高い有機溶剤や、劇薬指定された化学品などが多く、しかも製造過程で有害なガスが発生したり、高温の飛沫が飛び散ったり、引火性のガスが室内に充満したり・・・ちょっとしたことで大参事になりかねない危険がいっぱいなのです。

たとえば、亜硝酸エステル類の代表格、亜硝酸イソブチル(指定薬物)の場合、私の手元の化学辞典には、「イソブチルアルコールに亜硝酸ナトリウム水溶液と硫酸を作用させて得られる。」とあります。

イソブチルアルコールは、揮発性の可燃性液体で、取り扱いを誤ると爆発や火災の危険性があり、また、換気の悪い場所では、蒸気によって目や鼻、喉の粘膜を傷めるおそれもあります。亜硝酸ナトリウムは、目に刺激性があります。

硫酸が劇物であることはどなたもご存じでしょう。少量でも皮膚につくと化学熱傷を起こすだけでなく、蒸気によって目や呼吸器に重大な損傷を起こすこともあります。硫酸が水と接触すると激しく発熱し、有害な蒸気が蒸散します。

特別な装置や設備のない住宅内で、しかも人目を避けて閉めきった場所で、こうした化学物質を取り扱うことは、とんでもなく危険な後遺なのです。

実際、自宅で薬物密造を行う例が多い欧米では、爆発事故や化学薬品による熱傷といった事故が珍しくありません。

しかも、危険にさらされるのは、密造する本人だけではありません。爆発や火災が発生すれば、被害は広範囲に及ぶでしょうし、もし密造する人が換気に気をつけたとすれば、危険な蒸気が換気扇を通じて室外に排出され、周囲を危険に巻き込みます。

また、薬物密造に使われる化学物質の多くは有害物質で、化学工場などで使う場合には、廃液や空容器を処理する際の手順が厳重に定められているものです。それを排水に流したり、空容器を家庭ごみとして出したりすれば、危険性をさらに拡散させてしまうことになります。

他人に迷惑をかけるわけじゃない・・・薬物を使う人たちは、よくこんな言い方をしますが、薬物乱用者の行動によって、迷惑をこうむったり、苦痛を感じている人も少なくないものです。さらに、薬物の密造となれば、もう迷惑どころではありません。私たちの近隣で、こうした危険な密造は願い下げです。

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