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政治家の危機管理の要諦の一つは、テレビにどんな映像が映るかという配慮だろう

官邸も甘利氏も見事な対応をしたものだと感心しているが、昨日の甘利氏の大臣辞任記者会見は政治家のマスコミ対応のお手本のようなものである。

何が見事かと言えば、甘利氏はテレビに一切見苦しい映像を残していない。
週刊誌や新聞の報道の影響力は決して侮ることは出来ないが、現時点でのテレビの映像の影響力は破壊的とも言える。
変な画を撮られたらお終いになるところだったが、どこのテレビ局もそういう画は撮らなかったようだ。

土曜と日曜のお茶の間にどんな画が流れるかで世論が決まるところがあるから、木曜日や金曜日の記者会見は実に重要である。
続投を匂わせながら、マスコミの意表を突くようにして閣僚の辞任を申し出れば、誰だって慰留したくなる。
閣僚の地位にしがみついているような相手だったら、何とかして相手を辞任に追い込むための理屈を考えてしまうのが人の常だが、辞任の意思を表明した相手には、逆に、何とか相手を現在の地位に留めておくための理屈を考えようとするのも人の常である。

大半の人はそれまでの甘利氏の仕事ぶりを評価しており、TPP調印を目前に控えて甘利氏を失うのは日本にとっての損失ではないか、という思いが、たとえ一瞬でも過ったはずである。

甘利氏の会見内容を精査すれば、これですべてのことを水に流せるほどのものではなさそうだ、ということが分かるが、昨日の記者会見でほぼこの問題は解消することになる。
この問題の胡散臭さの大方が、これで消えていく。

件の秘書二人が辞表を出したからそれで終わり、ということにはならないが、甘利氏が大臣を辞任してしまえば、野党の皆さんがいくら甘利氏の責任追及を言い立てても、新聞の大見出しになるようなことはまずあり得ない。

多分、今回の件で民主党やその他の野党の支持率が急上昇するようなことはないだろう。

官邸も甘利氏もそれぞれに、週刊誌報道があって以降の危機管理が巧みだった、と言っておこう。

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