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ある意味で需給はマッチしているのかも

外国人「日本で働きたい」2割のみ 留学生支援団体調査(日本経済新聞)

 外国人留学生の就労支援を手がける一般社団法人の日本国際化推進協会が実施した調査で「日本で働くことが魅力的」と答えた外国人は約2割にとどまった。一方で「日本に住むのは魅力的」との回答は8割超に上る。日本文化に対する人気とは対照的に、日本企業は役職や年功による序列が強く、男性優位といった負の印象を持たれていることが分かった。

 調査は留学生などの外国人819人を対象に昨年10~11月に実施した。日本で働くことが「非常に魅力的」という回答は4.3%止まり。「やや魅力的」(17.7%)を合わせても低水準にとどまった。

 日本企業に対するイメージでは、約96%が「序列が強い」と指摘。「男性支配的」(93%)、「残業が多い」(91%)という回答も多かった。一方で、「職が安定」(80%)、「一体感がある」(65%)といった好意的な評価もあった。

 日本企業への入社の阻害要因として、最も多く挙げられたのが長時間労働、次いでコミュニケーション方法だった。日本国際化推進協会の大村貴康事務局長は「イメージが先行している部分もあるが、企業はまず改善に努める必要がある」と話している。

 ……報道の見出しでは「外国人」となっていますが、厳密には「外国人留学生」に限った話のようですね。ともあれ「日本に住むのは魅力的」との回答が8割超に上った反面、「日本で働くことが魅力的」と答えた外国人は約2割に止まったことが伝えられています。まぁ日本で生まれ育った自分としても概ね納得のいく結果でしょうか。もし外国の友人が日本で働いてみたいと言い出したなら、私は止めます。観光に来るなら面白いところかも知れないけれど、働きに来る場所じゃないよ、と。

 なお日本側の言い分として「イメージが先行している部分もあるが~」とも報じられています。確かにそうですね、「職が安定」とかは典型的なイメージ先行と言いますか、実際の労働環境を見た上での印象と言うよりは経済誌で連呼されているおとぎ話を鵜呑みにしてしまった結果であるようにも思えます。たかだか正社員ごときでは安定を望めないのが日本です。加えて、留学ではなく出稼ぎで日本にやってきた人が日本の職場でどのように処遇されているかを知っていれば、回答は大きく異なったことでしょう。

 もっとも留学する人は出稼ぎに来る人と違ってエリートが多い、ましてや新卒者ともなれば日本では特別に優遇されますから、出稼ぎ外国人とは全く異なる安定雇用が期待されるのかも知れません。留学生達の母国では、むしろエリートの仕事こそハイリスクハイリターン、収入は多いけれど厳しく責任を問われて追い込まれることもあるのではないでしょうか。しかるに日本であれば、成果は偉い人に、責任は末端に行き着くわけです。会社の業績あるいは組織の成績が悪化した場合に詰め腹を切らされるのは、真っ先に人員削減の対象となる「下」の立場だったりします。外国に留学するようなエリートが夢見るようなポジションに限れば、日本でこそ「職が安定」しているのかも知れません。

 とはいえ需要と供給の釣り合いはどんなものなのでしょう。日本で働きたいと考える外国人留学生は少ない、では外国人留学生を働かせたいと思っている日本企業は多いのか少ないのか、それもまた意識されるべきものと思われます。近年、我が国は人手不足と就職難が同時に報道される奇妙な状態が続いているわけです。それは要するに求職者側が「働きたい」と思えるような待遇の職は不足したままで、逆に雇用側が求めているのは低賃金の非正規労働者ばかり、みたいな需給ギャップがあるからです。

 挙げ句の果てには「大学(生)が多すぎる」と、高等教育を受ける人の増加にネガティブな見方を投げかける人が、経済系の論者を中心に目立つのが日本でもあります。国民の教育水準の増加を、我が国は喜んでいません。望まれているのは高付加価値産業に就きたがる大卒ではなく、低賃金で単純労働に従事してくれる高卒の方である、そこに否定の余地はないわけです。単純労働者としての移民の受け入れが必要だと、財界人や改革派の政治家も連呼してきました。このような国で、外国人留学生という知的エリートの需要は本当にあるのでしょうか?

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