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アメリカ人の職業政治家嫌いが顕著に トランプ、クリントン、サンダース支持者の声 - 海野素央

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一貫性VS.プラグマティック

 以上に加えて、一般にサンダース上院議員は一貫性があるのに対して、クリントン候補はそれに欠けると言われています。ただ、これに関しては説明を要します。確かに、クリントン候補は立場を変えます。たとえば、国務長官在任中、環太平洋経済連携協定(TPP)に賛成の立場をとってきました。ところが、大統領選挙に出馬すると、曖昧な態度をとり、結局民主党の基盤である労働組合の票の獲得を優先したのか、反対の立場に変わりました。

 クリントン候補のプラグマティック(実際的)な思考様式を理解することは、同候補の言動を把握するうえで極めて重要です。プラグマティックな人間は、自分が現時点でどちらの立場をとるのが有利なのかを常に模索しています。夫のクリントン候補(当時)もそうでした。選挙期間中、同候補は北米自由貿易協定(NAFTA)に反対し、その後賛成の立場に回り、大統領として協定に署名しました。同様に、クリントン候補もTPPに関して、立場を修正してくるでしょう。

16年米大統領選挙と反職業政治家

 トランプ候補は現在の米国社会が抱えている諸問題の原因を、職業政治家やメディアといったエスタブリッシュメント、人種や民族の多様性、テロリスト及び、不法移民に帰しています。非職業政治家である同候補は、既存の政治家を攻撃対象の1つにして支持を拡大してきました。

 一方、民主党候補者指名争いでは、職業政治家でありながら反エスタブリッシュメントでアウトサイダーに見られているサンダース上院議員が、クリントン候補を追い上げています。サンダース上院議員は、クリントン候補のウォール街にある大企業との距離の近さやスーパーPACの活用を繰り返し非難し、有権者に同候補こそが正真正銘の職業政治家であるというメッセージを発信しています。

 「職業政治家・エスタブリッシュメント・インサイダー」の3つのカテゴリーに属するため不利な立場に置かれているクリントン候補は、民主党内で支持率80%のオバマ大統領の政策を擁護する候補者として自分を描き、サンダース上院議員からの攻撃をかわそうとしています。民主党候補者指名争いでは、クリントン候補は、オバマ大統領と近い距離に自分を置く選挙戦略をとっているのです。ここにも、クリントン候補のプラグマティックな思考様式が現れています。

 反職業政治家が支持を得る16年米大統領選挙では、各候補者は有権者が持っている職業政治家であるという意識を弱める選挙戦略を効果的に打ち出せるのかが鍵になるでしょう。

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