記事

【ダボス③中国経済】

中国経済に関するセッションの概要です。日本で聞くほど悲観的でもありませんでした。投資・輸出主導の経済から個人消費主導の経済のへの移行期に伴う混乱という見方が多数。中国政府の市場への介入をめぐる中国の当局者とIMFラガルド専務理事の見解の違いが面白かったです。

リンク先を見る

Jiang Jianqing (中国商業銀行社長)

■中国経済がボラタイルだとは思わない。去年の経済成長率は予想通り、6.9%だった。経済指標を見れば、中国が依然として世界経済のけん引役だということが分かる。

■金融市場のボラティリティの理由は、米FRBの利上げとEUの経済政策、さらに資源価格の下押し圧力である。市場は、一種のパニック状態にある(certain degree of panic in the market)。各国の金融当局者はボラティリティを抑えるために協調するべきである。

■中国は今、old normalからnew normalに移行しようとしており、マーケットは決定的な役割を果たしていく。

中国の改革は後戻りできないところまで来た(point of no return)。経済成長率は去年の6.9%から6.5%に落ちるかもしれない。しかし、量より質を重視しているのだ。投資に依存しない成長を遂げるには、イノベーションが不可欠である。中国はSupply side reformを進めている。過剰設備を解消するのは痛みを伴う改革で代償を支払うことになるだろうが、中国は進めていく。

Ray Dalio (投資会社Bridgewater 会長)

■中国はいま4つのリスクに直面している。①債務の再構築(debt restructuring)、②新たなモデルを求めた経済構造改革(economic restructuring)、③資本市場の問題(capital market challenge)、④資本流出などのbalance of payment challenge。アメリカもかつてこうした課題に直面し、幾度も経済をreshapeしてきた。

Fang Xinghai (中国の証券規制当局代表)

■中国は今、転換期にある。設備投資や輸出主導の経済から、国内消費主導の経済へ。米利上げの結果、新興国はとばっちりを受けている。

■中国が問われているのは、①コミュニケーション、②投資主導経済から消費主導経済への転換に向けた戦略、③政策の実行。GDPに占める個人消費の割合は、去年、52.5%で前の年の49%から伸びた。「大したことない」と言うかもしれないが、正しい方向に向かっている(China is moving in the right direction)

■中国の成長率の6.9%を信用できないという声も聞くが、去年、中国の税収は6.6%上昇したので、そうかけ離れていないと思う。

■上海市場のボラティリティはあまり懸念する必要はない。きょう、指数が2900まで2%落ち込んだと言うが、1年半前と比べると30%上がっている。むしろ注視が必要なのは、為替相場だ。Crawling pegからバスケットに移行した。経常収支は分厚く、人民元安に誘導する理由はない(there is no basis for seeking to weaken currency)。人民元安は、中国の国益ではないし、国内消費にとって望ましくない(a depreciation of the currency is not in the interest of China.  It’s not good for domestic consumption)。市場のvolatilityに対して政府は対応できる。中国の指導部は安定し、強固のため、金融リスクには素早く対応できる。

Christine Lagarde(IMF 専務理事)

■市場に一定程度volatilityがあるのは、よいことだ。過度な変動に対して政府が関与/介入するにしても、volatilityを許容するべきである(acceptance of volatility)。

いま中国に必要なのは、
▼市場に対するメッセージの明確化(clarity of communication)、
▼目的の明確化(clarity of purpose)、
▼構造改革の実行(implementation of reform)。

中国以外に必要なのは、忍耐強さ(patience)。

■IMFは2週間くらいのスパンで見ているわけでない。

■中国の通貨人民元がSDR入りしたが、その時の中国政府の決意は相当なものだった。多くの人が間に合わないと言っていたではないか。 GDPが7-ish-percent(7%前後)に達せず、6-6.5%の伸びだったとしても、国営企業改革などの改革は断行するだろう。北京のbuzzwordは今、Supply Side Reformである。

Gary Cohn(Goldman Sachs 会長)

■中国政府は、公共投資主導の経済から個人消費主導の経済に移行しようとしている。ただし、個人消費だけに政府が介入できない。

中国は市場経済(open free market place)なのかが明確でない。市場経済に向かっていると思っていたら、中国当局が市場に介入した。サーキットブレーカーの発動にしても、一定の取引の規制などは、アメリカを含めて多くの国が比較的最近、経験してきたことだ。中国は、市場とのコミュニケーションが問われている。

■上場にふさわしい企業か、そうでない企業かは、本来市場が決めるべきだ。中国が気の毒のは、2014-2016年に転換を進めていることだ。アメリカなどはanalog worldの時に進めたが、今はdigital worldだ。情報が瞬時に伝わる。

■新たなパラダイムにある。政策もDigitizedされているのに、FRBはいまだにアナログの世界に生きている。デジタル世界とは、リアルタイムであり、労働力がグローバル化した、ということだ。FRBが国内雇用に執着しているのは興味深い。企業は、バンガロールや中国、ワルシャワに向けてjob exportしているんで。

Zhang Xin(中国の不動産者会社SOHOのCEO)

■株取引と不動産取引が乖離している。金融緩和で不動産価格は上昇している。オフィスビルを新たに売り出すと、インターネット会社がどんどん埋めていく。実体経済はそこそこうまくいっている。株式市場がhuge discountで取引されている。

あわせて読みたい

「ダボス会議」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    原宿の竹下通りが「地方都市のシャッター商店街化」の衝撃

    内藤忍

    05月06日 16:17

  2. 2

    変異株で感染の閾値が低下した 緊急事態宣言延長は仕方ないか 橋下さんと岩田先生の交わりのない議論を聞いて 責任ない批判は簡単

    中村ゆきつぐ

    05月06日 08:21

  3. 3

    橋下氏「緊急事態のためにも憲法改正をすべきだが、今の政治家には恐ろしくて任せられない」

    ABEMA TIMES

    05月06日 11:47

  4. 4

    渋野日向子 海外挑戦で欠場も“罰金100万円”規定に相次ぐ疑問の声

    女性自身

    05月06日 10:09

  5. 5

    北米や中国で木材価格が高騰 日本は「買い負け」状態

    ヒロ

    05月06日 14:58

  6. 6

    小池百合子知事は東京オリンピック開催中止を進言できるか トップに立つ者の責任

    猪野 亨

    05月06日 08:46

  7. 7

    「経済優先で人は何を失うのか」 失踪外国人を通し日本を描く映画『海辺の彼女たち』

    清水駿貴

    05月06日 11:36

  8. 8

    コロナ感染止まらず・・緊急事態宣言延長へ、どうする東京五輪

    舛添要一

    05月06日 09:05

  9. 9

    中国で大食い動画に罰金160万円の衝撃! 日本も検討するべき5つの理由

    東龍

    05月06日 19:22

  10. 10

    ワクチン接種は1日67万人ペースでないと年内に終わらない

    諌山裕

    05月06日 13:46

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。