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パクツイする人の背景について

 パクって平然としているアカウントがインタビューを受けたみたいで。
 
 @Copy_writing中の人インタビュー!「インターネットは、すべての話を良い方向に持って行こうとする傾向があるけど、暗いことは暗いことでいいじゃない、と言いたい」 | 青春基地
 
 悪質なtwitterパクリ、いわゆる「パクツイ」常習者ですね。こちらこちらこちらにあるように、計画的かつ継続的にパクツイを続けていて、私にはインターネットの邪鬼としかみえません。
 
 さて、パクツイする人間については色々な言葉が費やされました。たとえば以下のように。
 
 [関連]:なぜ彼らはパクるのか? パクツイ常習犯が語るTwitterの闇 - Yahoo!スマホガイド
 
 面白い文章ですね。罪悪感だけでなく、認められたい気持ちや仲間と笑いを共有したい気持ちも背景にあることが伺われます。
 
 では、パクツイするのは罪悪感が足りなかったり、倫理規範が甘いからでしょうか?
 
 それともインターネットリテラシーが足りない?
 
 承認欲求に飢えている?
 
 どれもある程度は当たっているでしょう。冒頭リンク先のようなケースはこれらでは説明つかないように思いますが。
 
 それはそうとして、もっとカジュアルにパクツイするような人には、もっと根源的な問題があるように思います。  

考えないからまたパクる

 
 彼らとて詰問されれば、罪悪感だの承認欲求だのを口にするでしょう。それぐらいしか口にしようがないから。でも、承認欲求を充たしたいからといって大多数のネットユーザーはパクツイなんて行為に走らないわけで、承認欲求が決定的ポイントとは言えません。
 
 じゃあ、どんな心理が?と考える人もいるかもしれませんが、私は心理って次元じゃないと思うんです。
 
 無思慮――これこそがパクツイする人達の本当に重要で、深刻な背景ではないでしょうか。
 
 だいたい、承認欲求のためにパクツイしたくなっても、思慮深ければ、それなりの用心・それなりの改変を試みるでしょう。罪悪感がどうこう以前に、後で面倒な事になる可能性を消去しながらネット承認欲求の落穂拾いをやる――これがクレバーなやり方のはず。
 
 でも、パクツイを確認できる人は、そういう事を考えていません。考える意志が無いのか、考える能力が欠けているのかはわかりませんが、パクツイという自分の言動について省察した形跡が見当たりません。罪悪感を感じることもあるかもしれませんが、それとてフィーリングの問題でしかなく、フィーリングではブレーキにならないからパクツイなどという狼藉を働くのでしょう。思慮が足りないとは、まさにこのことではないでしょうか。
 
 冒頭リンク先のように戦略的にパクツイを繰り返している悪漢はレアケースで、大半のパクツイアカウントは、自分自身の身振り手振りや“来し方行く末”をあんまり考えていない人達だと思うんですよ。
 
 

ネットにおいて無思慮は罪なり

  
 この論法でインターネット三千世界を振り返ると、無思慮ってのはインターネット上の一大罪悪と思わざるを得ません。
 
 パクツイだけでなく、バカッターも、炎上も、誹謗中傷も、承認欲求無間地獄も、しばしば無思慮によってもたらされるのではないでしょうか。
 

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 PRプランナーの中川淳一郎さんは、『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』といった書籍を書いています。私には、中川さんが言うところの「バカ」とは、そのような無思慮に他ならないように思えます。そうした無思慮が積もり積もれば、インターネットという土壌は「無思慮の吹き溜まり」とならざるを得ないし、巡り巡って個々人に跳ね返ってくることになります。
 
 仏教では苦しみの根源として無明*1を挙げますが、インターネットにおいても、無思慮とは悲喜劇やコンフリクトの源ではないでしょうか。
 
 にも関わらず、インターネットから無思慮が減る気配はありません。今も昔も、無思慮な人はやはり無思慮です。これは「学歴を高めれば無思慮じゃなくなる」「啓蒙すれば無思慮じゃなくなる」なんて、そんなシンプルな話ではありませんよ?*2 しかし、誰もがインターネットを利用しなければならない御時世になってしまった以上、そうした無思慮との遭遇は不可避であり、無思慮が集まって大きな無思慮のクラウドをつくりあげるような事態にも、これからは備えが――それか構えが――必要になってくるのでしょう。
 
 無思慮はどこにでも潜んでいるし、なにより、誰だっていつも思慮深く振る舞えるわけではありません。それだけに、特定の心理や精神病理には無い厄介さを孕んでいます。現在のインターネットで注意を払うべきは、「集合知」などではなく、「無思慮の集まり」や「無思慮の連なり」のほうかなぁと思う今日この頃です。

*1:むみょう:真理に暗いこと、智慧の光に照らされていない状態
*2:IQの高低みたいな評価尺度で推し量れるようなものでもありません。

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