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高浜原発再稼働 容認判断のどこに合理性あるのか

 野瀬高浜町長が昨年12月3日、関西電力高浜原発3、4号機の再稼働に同意したのに続き、西川福井県知事も同22日、再稼働に同意を表明した。すると福井地裁は同24日、高浜3、4号機運転を差し止める4月の仮処分決定を取り消した(仮処分申立人は直ちに抗告を申し立てた)。高浜原発をめぐる昨年末の慌ただしい動きは、原発再稼働を進める国家意思の強固さを見せつけているかに思える。

 原発30㌔圏は京都、滋賀との境を越えて広がるのに、同意対象は立地町と福井県だけで、国は、地元同意は法令上の要件でもないとうそぶく。要援護者などの避難先候補の施設や自治体との調整はほとんど行なわれず、府県境をまたいだ訓練も実施されない段階で、福井県知事は、避難計画は法律上の再稼働の条件ではないと居直る。事態の経過は、再稼働手続きの問題点をあらためて浮き彫りにした。柏崎刈羽原発について泉田新潟県知事は先ごろ、原子力規制委の新規制基準適合性審査を通ったとしても再稼働同意の前提とはならないとの認識を示したが、これは、責任の所在を曖昧にする同基準と再稼働同意および判断とのもたれ合い構造を、鋭く突くものだ。

 その新規制基準について福井地裁は昨年4月の時点では「緩やかに過ぎ、これに適合しても安全性は確保されない」としていたのに、今度は関電の主張をうのみにして、具体的危険性について審理することなく、新基準の内容や基準地震動などに関する規制委の判断には合理性があるという手のひら返しの決定をした。

 だが、これはそれこそ合理的な判断なのか。700ガルの基準地震動算定について、4月決定は「地震の平均像を基礎として導き出している」ことを批判していたのに、今回は不問に付している。放射能放出率の想定は、福島原発事故の実態データの1000分の1以下でよしとされた。その福島原発では免震重要棟が事故対策拠点として機能したのに、高浜原発の緊急時対策所は免震構造でなくてもいいことになった。福島原発を苦しめ続けている汚染水対策について、高浜原発では、「放水砲」で格納容器から出た気体状の放射能を打ち落とすことによって発生する汚染水のみが対象であり、それは「シルトフェンス」で防げるのだという。川内原発同様、蒸気発生器の耐震性も問題視されている。具体的なポイントを検討すればするほど納得できないことばかりだ。

(社会新報2016年1月27日号・主張より)

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