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豪邸支援のバラマキ

  1月20日、平成27年度補正予算が成立しました。現在の厳しい経済情勢・国民生活を踏まえれば、経済対策・災害復旧・震災復興などの実施のために一定規模の補正予算は必要ですが、わが国の厳しい財政状況に照らして、財政規律とのバランスに配慮すべきです。そこで、民主党は総額約3兆2千億円の補正予算のうち、バラマキ支出部分の約8千億円を削減し、その分だけ国債発行を減らすよう提案してきました。しかし、安倍政権は聞く耳を全く持たなかったので、反対しました。

  申(さる)年とはいえ、格差拡大を直視せず(見ざる)、まともに答弁せず(言わざる)、野党の声に耳を傾けない(聞かざる)の「3ざる政権」では困ります。

  バラマキ支出の1例が、三世代同居を推進するための良質な木造住宅の整備促進事業161億円です。三世代同居に対応した良質な住宅を建設する場合の支援により、結婚や子育てをしやすい環境を整備することは、安倍政権の掲げる希望出生率1.8の実現に寄与するのだそうです。

  確かに、世代間で助け合いながら子や孫を育てたいと希望する人もいるでしょう。そういう暮らし方の選択肢を否定するものではありません。しかし、私も三世代同居の経験者ですが、出生率アップに直結するとは思えません。税金を投入してまで推進するほど政策効果があるのでしょうか。

  しかも、三世代同居を促進する制度と宣伝していますが、実は三世代同居を補助の要件としていません。具体的には、キッチン、浴室、トイレまたは玄関のうち、いずれか2つ以上を住宅内に複数箇所設置する場合の割り増し工事費の補助を補正予算に盛り込んでいるのです。対象はこのように外形的なものであり、どういう人が具体的に住むようになるかについては確認する必要がありません。

  子育て支援といいながら、トイレや浴室等が複数あれば補助を出すのですから、「豪邸建築支援」と同じです。格差を助長する予算であり、税金の使い方として間違っています。

  さらに、木造でなければ補助が受けられません。何で木造の三世代住宅ならば出生率が上昇し、鉄筋の三世代だと出生率が上がらないのでしょうか。全く意味不明です。

  このように筋の悪いバラマキが多数散見される上に、低所得年金受給者約1100万人に対して参院選直前に3万円を給付する、タチが悪いバラマキ選挙対策も含まれた補正予算でした。断固として反対せざるをえませんでした。

  いよいよ今後の国会の焦点は、平成28年度予算案を巡る与野党攻防に移ります。納税者の代表として、しっかりと予算案を精査していく決意です。

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