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【参院本会議】「緊要・実効性吟味せず安易な歳出拡大に終始」西村議員、補正予算に反対討論

 参院本会議で20日、2015年度補正予算の採決が行われ、与党の賛成多数で可決、成立した。採決に先立ち西村まさみ議員が反対討論に立ち、「政策の緊要性や実効性を吟味せず、安易な歳出拡大に終始している本補正予算は、断じて容認できない」と表明した。

 西村議員は安倍総理が年頭に、「もはやデフレではない」と宣言したが、個人消費や実質賃金の回復が見られない現在、デフレから脱却し国民生活は良くなったかは甚だ疑問だと指摘。14年度の実質GDPは、前年度比1.0%減と5年ぶりのマイナス成長に転落し、15年4-6月期も0.5%減とマイナス成長が続いた。また第2次安倍政権の3年間で、実質賃金は減少し続け、最新公表分の15年11月でも前年比マイナスという状況にあることにも懸念を示した。

 「私は歯科の開業医である」として西村議員は、民主党政権時には、10年、12年と2回連続で診療報酬のプラス改定を実現したが、一方で安倍政権下では昨年末の診療報酬改定では全体でマイナス0.84%と、消費増税分の補填があった14年に続き、実質は2回連続のマイナス改定で、昨年11月に公表された医療経済実態調査でも歯科診療所をはじめ医療機関の経営状態は改善しておらず、厳しい経営を強いられる全国の医療関係者の悲痛の声を多く聞くのが現状だと語った。そのうえで西村議員は「国民にとって厳しい経済情勢が続く状況では、本質的な景気回復に向けた補正予算を編成すべきにもかかわらず、施策の多くは、16年度当初予算の前倒しである。当初予算を見かけ上圧縮する一方で、査定が甘くなりがちな補正予算での安易な予算計上を助長するもので、財政規律を大きく損なう手法との批判は免れない」として、以下3点の反対理由を列挙した。

西村議員が討論

反対理由1 15年度補正予算は緊急性の低い予算である点が問題。

 補正予算とは、財政法第29条で「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うために編成できる」とされているが、今回の補正予算に盛り込まれている一億総活躍社会の実現対策や、TPP関連施策は補正予算で対応すべきものか疑問だと西村議員は指摘。(1)待機児童の解消や介護施設の整備といった社会保障に関わる重要施策は恒久的な施策として当初予算に計上すべきものであること(2)人手不足が大きな問題となっている保育・介護現場では保育・介護従事者の処遇改善が不十分であり、人への投資が何より重要であること(3)TPP協定は参加国が大筋合意した段階に過ぎず、発効の時期さえ決まっていないなか本補正予算に関連対策を拙速に計上する必要性を見出せないこと―等を指摘した。

反対理由2 過去の経済政策の失敗を直視せずバラマキを繰り返している点が問題。

 西村議員は一億総活躍予算のうち3割以上を占める所得の低い高齢者向けに3万円ずつ配布する年金生活者等臨時福祉給付金について、「政府は賃上げの恩恵が及ばない年金受給者への給付によって消費を喚起するとしているが、消費効果は極めて疑わしい」として、麻生内閣が09年に支給した定額給付金も消費拡大効果は受給額の25%に過ぎなかったことを踏まえ問題視した。参院選前の5、6月をめどに配布されることにもふれ、「合理的な政策とはほど遠く、ひとえに参院選挙対策であることは誰の目にも明らか」だと断じた。

反対理由3 税収の上振れ分や前年度の剰余金を、借金の圧縮ではなく、歳出拡大に回し、財政健全化から目を背けている点が問題。

 西村議員は今回の補正予算において約4兆円にのぼる税収増や前年度剰余金の多くが新たな歳出に充てられ、公債発行の減額は4千億円あまりにとどまっている点に着目し、「国と地方の債務残高は、名目GDPの2倍を超えており、財政健全化を進めるというのであれば、増収分は歳出増ではなく、新たな借金の抑制や、返済に充てるのが筋だ」として、歳入増の多くを歳出増に充てる放漫な財政運営を続ければ、財政再建目標の達成が更に困難になることは明白だとして、政府の方向性を否定した。

PDF「20160120参院本会議 西村まさみ議員原稿」20160120参院本会議 西村まさみ議員原稿



民主党広報委員会

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