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イマージュHD(9947) MBOで非公開化へ

「次にMBOをするのはイマージュでは?」と1月5日に某氏と話をしていたところ、その2日後にMBOのリリースが出ました。


カタログ通販などを手掛けるのイマージュホールディングス(9947)は7日、マネジメント・バイアウト(MBO)で株式を非公開化すると発表しました。

MBOの実施及び応募推奨に関するお知らせ

みずほフィナンシャルグループ系の投資会社「TKMホールディングス」がTOB(株式公開買い付け)を実施した上で、明賀正一社長がイマージュに出資するという「二段階買収」の手法を採るようです(リリースP12参照)。


MBOを実施する理由は以下の通り(リリースより一部抜粋)。
・・・当社は足下の収益を確保するため、ここ数年投資や販売促進費を抑制してきましたが、これらの施策による利益の創出は限界に達しており、将来的な成長を描くためには積極的な販売促進費の投下による新規顧客の獲得や新商品の開発・販売による新しい事業領域への進出が必要な状況にあります。しかし、これらの施策を実行する場合、販売促進や新規商品開発に伴う費用や支出の増加が先行する一方で、投資効率検証サイクルを重ねることにより最適な経営資源投下パターンを見極めるプロセスや、新規商品の開発及び上市後のマーケティングプロセス等が必要であるため、収益実現には一定の期間を要します。さらに、その効果の発現には不確実性を伴うことから、当社において一時的な損益及び財務状況が悪化するリスクを内包しており、短期的には株式市場から十分な評価を得られず、当社株主の皆様のご期待に沿えない可能性があります。


イマージュは、かつて5期連続赤字、営業CFのマイナス、GC注記・・・と業績が低迷し、一時資金が底をつくのではないかと思った時期がありました。2008年頃から赤字&営業CFのマイナスの原因であった店舗販売をリストラして再建を目指し、2008年11月に公表したリリースには「第三者割当増資等を含めた資本政策について具体的な検討を進めてまいります。」と書かれていましたが、その矢先、創業者の社長(当時)によるインサーダー取引事件がありました。これで、おそらくエクイティ・ファイナンスがしづらくなったのかもしれません。その後、第三者割当増資などエクイティ・ファイナンスは行われず、金融機関からの借入で資金を調達していたようです。
今後も地元地銀の支援を受けながら再建していくのだろうと思ってましたので、MBOはアリだろうと思っていました。

なお、同日発表しました「平成23年2月期 第3四半期決算短信」によると、売上高は24%減。主力の通販事業も相当厳しそうです。



最近では、ユニコムHD(8744)、インボイス(9448)、コンビ(7935)、幻冬舎(7843)がMBOを実施することを公表しています。

各社の「MBO実施の目的」は以下の通り(各社リリースより抜粋)。インボイスは再建目的、その他は上場維持コスト回避目的のようです。

■ユニコムHD
・・・当社の現在の財務状況に鑑みると、資金調達のニーズは自己資金や金融機関等からの調達で十分に満たされており、エクイティ・ファイナンスによる資金調達を行う必要性は当面考えにくく、むしろ、近年の資本市場に対する各種規制の急激な強化に伴って、株式の上場を維持するための必要なコスト(株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に係る費用、金融商品取引法上の有価証券報告書・内部統制報告書等の継続開示にかかる費用、監査費用等)が今後益々増加することが予想され、上場を維持することが当社の経営上の更なる負担となる可能性があります。

■インボイス(9448)
中長期的な企業価値の向上に向けたこれらの経営施策の実行は、その効果が現れるまでに一定のコストと時間が必要であることから、短期的な業績の拡大を志向する傾向にある資本市場において常に積極的に評価されるとは限らず、短期的には当社の株主の皆様にマイナスの影響を生じさせる可能性があり、また、このような短期的な業績悪化等の事業リスクを受容し、中長期的な企業価値の向上を実現していくためには、短期的な業績の変動に左右されることなく、統一的な経営方針の下で、経営支援経験が豊かな第三者と協働しながら、当社の経営陣及び従業員が一丸となって取り組むことが必要である・・・


■コンビ(7935)
当社には、現在の財務状況等から、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、他方で、資本市場に対する規制強化により、株式の上場を維持するために必要なコスト(金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)上の有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用や監査費用等)は、今後、益々増大することが見込まれることから、今後も継続して株式の上場を維持することの意義について再検討を迫られる状況にありました。

■幻冬舎(7843)
・・・現在の当社の財務状況等からは、上場維持の最大のメリットであるエクイティ・ファイナンス活用による資金調達の必要性が当面なく、当社は上場会社としてのメリットを十分に活かしきれていないなかで、近年、上場を維持するために必要な様々な実務上の負担(株主総会の運営、開示項目の増加への対応、J- SOX への対応、独立取締役の導入、IFRS 適用に向けた対応等)の増加や、それに伴う人件費等の費用の増大が見込まれており上場維持のメリットにも疑義が生じているものと考えております。




MBOは今後も増えるような気がします。以下、少し前のものですが、国内のMBOが増加傾向にあるとの記事を載せておきます。
国内企業のマネジメント・バイ・アウト(MBO、経営陣が参画する自社買収)の件数が回復している。年初来の件数は31件と前年の34件に迫る勢い。株価低迷により、安価で自社株を取得できる環境にあることがMBOを後押ししているだけでなく、アジアへの戦略的な方向転換をするためにファンド資金を活用したり、監査費用などの上場維持コストを排除するために非上場化するケースが目立つのが特徴だ。国内系の投資銀行ではパイプラインの案件が豊富で、2011年以降もMBOは増加するとの指摘がでている。
(中略)
ある国内系投資銀行のM&A担当者は「われわれのパイプラインだけで10数件の非上場化案件がある」と話す。ファイナンシャル・アドバイザーとして大型案件に関わる傾向の外資系投資銀行にとっては、グローバルなプライベート・エクイティ(PE)ファンドが資金の出し手にならない限り国内企業のMBOには関心薄。しかし、国内の独立系、銀行系投資銀行には案件が豊富に入っており、国内系を5社と考えると、MBOを模索する企業数は50─60社に上る計算だ
[出所]ロイター(2010/11/24)より一部抜粋




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