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商圏人口から考える「地方に仕事をつくる」ことについて

インターネットで世界中とつながれる時代になったとはいえ、大部分の人にとっては商品を買ってくれるお客さんは半径5kmとか10kmの範囲に生きている人だと思う。床屋だと商圏はもっと狭くて数キロだし、コンビニだと数百メートルということもある。

物流網の発達とインターネットのおかげで、商圏を広くすることは江戸時代よりは難しくなくなってきたけど、それでも日本全体や全世界をステージに戦う資格を持っているのは強い販売チャネルを持つ大企業か、誰もが欲しがる商品を開発できるギーグなハイテク企業か、といったところだろう。

要は、ほとんどの企業にとっては、半径数キロの”ちょっと高台に立つと見渡せる範囲”が主戦場、というのが実態だと思う。

そうなると、「どこを戦場にするか」で自ずとどういう商売をするかが決まってしまう。 特に医療や介護なんて業界は立地がすべてで、半径数キロの中でどこまで顧客を捕まえてこれるか、という勝負をしている。

下の図は、2人以上世帯について、世帯年収の分布をまとめたもの。

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こうやって見ると、収入の多寡というのは、思ったほど地域差がないという印象を受ける。年収2000万円超の層は東京都のほうが2倍ぐらい多いが、全体の1%が2%になるという程度。

しかし、だからと言って東京と富山で同じ商品を売って同じようになるかと言えば、そうはならない。人口規模に対する出現頻度は同程度でも、東京と富山ではマーケットの規模が100倍ぐらい違うからだ。

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上の図は、世帯年収のバンドごとに実世帯数を積み上げたものだが、そもそも母数が違うのがわかる。「1万人に1人が買う」ニッチなサービスを作ったとして、東京23区なら900人の潜在顧客がいるが、富山市なら60人しかない。

商売をする上では商圏の頭数が多いほうが圧倒的に有利なのは間違いない。人口の多くない地方都市でビジネスとしてやっていくにはどうすればいいか?地域に雇用を生むにはどうすればいいか?これは本当に難しい問題だと思う。

解決策の1つは、ネットで全国展開したり輸出をしたりして商圏を広げる、という方法だが、もっとも、そうなると結局は頭数の多い首都圏で商売するほうがイイよね、となってしまう気がする。人材確保の点でも、地方で採用するより首都圏の方が求職者の分母が多い分だけ、いい人材を揃えやすい。

よほど生産技術が地域に根差していれば、そうならないかもしれない。例えばYKKなんかは工場が富山にあるのでかなり地元の雇用吸収力があるし、高岡銅器みたいな職人芸もそうだろう。ただ、伝統工芸の雇用吸収力はそこまで期待できないし、第二のYKKを生むというのはこのご時世、かなり大変な話だ。

まあ、ダメだダメだと嘆いてばかりいてもしょうがないのだけど、「仕事」を作るというのは本当に難しいと思う今日この頃。

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