- 2016年01月16日 18:06
米共和党第6回討論会、5つのポイント
11月の米大統領選挙へ向けた共和党候補による第6回公開討論会が14日夜にサウスカロライナ州で開催された。今回の討論会は不動産王ドナルド・トランプ氏とテッド・クルーズ上院議員(テキサス州)2人の論戦が目立った。討論会の5つのポイントを挙げる。
1.実質的には2人の争い
全国的な世論調査で支持率トップと2位につけるトランプ氏とクルーズ氏が、互いに相手を倒そうとする論争を繰り広げた。一方、いわゆるエスタブリッシュメント(主流派)寄りの中道派であるマルコ・ルビオ氏とクリス・クリスティー氏が、その次の座を狙って舌戦を繰り広げた。
トランプ氏とクルーズ氏の間の敵対心があらわになった。トランプ氏はテキサス州選出の上院議員であるクルーズ氏について、カナダ生まれであるため大統領になる資格はないかもしれないという主張を繰り返した。米憲法は大統領の資格要件として「生まれながらの」市民と規定している。これに対してクルーズ氏は自身の資格要件について憲法上問題はなく、世論調査で自分の支持率が上がり、トランプ氏が脅威を感じるまで問題にさえなっていなかったと反論した。クルーズ氏は「9月以降、憲法は変わっていないが、世論調査の数字は(変わった)」と述べた。
クルーズ氏がトランプ氏は「ニューヨークの価値観」を具現化していると主張すると、今度はトランプ氏が防戦に回る番になった。クルーズ氏は「マンハッタンから出てくる保守派は多くはない」と語った。
トランプ氏は、保守派の象徴であるウィリアム・F・バックリー氏はニューヨークの出身だと反論。さらに、2001年9月11日に同時多発テロが発生した後にニューヨーカーたちは強さを見せたと述べた。
2. 主流派の中のバトル
クリスティー氏とルビオ氏の間の政策論争は、共和党指導部のお気に入りの候補者としての地位をめぐって争奪戦が起こっている証しだ。
ルビオ氏は、クリスティー氏がコモンコア(全米共通学力基準)と銃規制を支持し、個人的に家族計画連盟へ寄付を行ったと指摘。「次期大統領はバラク・オバマ(大統領)がこの国に行ったことをやり直す誰かでなければならない」とし、「彼のアジェンダに同意する誰かであってはならない」と述べた。
クリスティー氏は銃所有の権利を守るために行ってきた一連の措置を列記し、最後にこう述べた。「(ルビオ氏は)しゃべり過ぎるから、中身が正しいかどうか誰も判断が追いつかない。知事は、自分の行いすべてに責任がある」
その後、税制と社会保障の給付金制度に関する議論になった際、クリスティー氏はルビオ氏に口を挟ませなかった。
3. オバマ大統領が一段と大きな標的に
共和党はオバマ大統領のほとんどすべての政策に反対の姿勢でまとまっている。今週の一般教書演説で大統領は、自分を共和党にとって一段と目立つサンドバッグにしてしまった。
大統領は演説で、弱腰とも批判された過激派組織「イスラム国(IS)」と最近のテロ攻撃への対応を擁護した。大統領は米国が世界最強の国であり続けているとした上で、ISは対処しなければならない問題だが、米国の存在自体を脅かすものではないと述べた。
ルビオ氏は「(大統領は)ISの脅威を理解していない。彼は一貫してそれを軽視するが、私はそうではない」と述べた。
ジェブ・ブッシュ氏はオバマ政権下で米国がより安全になったという考えは「完全に別の宇宙のものだ。単純な事実は世界がばらばらに引き裂かれたということだ」と批判した。
4. 対照的なトランプ氏とケーシック氏
トランプ氏は選挙戦を開始したときに役立った台詞を繰り返し、この国は「恐ろしいほど悪く」運営されており、国民は怒る権利があると述べた。「私は積み上がった怒りを喜んで引き受ける」。この姿勢は共和党有権者の大半の心情をつかんだものだ。
対照的にジョン・ケーシック氏は地元オハイオ州を向上させるために、知事として、また議員として政府の力を成功裏に利用したと主張。「一人ではできない」としたうえで、「人々を寄せ集めなければならない」と述べた。
5. 支持率下位の候補者は浮上の気配なし
ケーシック氏とブッシュ氏は外交・経済政策について実のある論点を提示した。ブッシュ氏はイスラム教徒の入国を禁ずるというトランプ氏の提案を批判した際、存在感を見せた。ケーシック氏はオハイオ州の経済が改善していることが、国の経済を率いる能力が自分にあることを示していると述べた。
だが、両氏とも有権者に再考させるほどの力強い存在感を出すことはできなかった。ベン・カーソン氏は大半の時間、不在も同然だった。これまでの討論会で見せた、おおらかなスタイルは世論調査での支持率急落を反転させるには役立たなかった。14日夜の討論会も同様だろう。
By AARON ZITNER
- ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)
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