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世界金融市場の混乱

日本経済は堅調だが注視怠るな

年初来から不安定だった世界の金融市場が、ようやく落ち着きを取り戻し始めた。

混乱の震源地は、リーマン・ショック後の世界経済の成長をリードしてきた中国である。上海市場での売り注文の殺到をきっかけにして各国の投資家に不安が広がり、原油などのリスク(危険)資産から円や日本国債といった比較的安全とされる資産に資金を移す動きが加速した。中東情勢や北朝鮮の核実験も不安要因として指摘されている。

東京市場も日経平均株価が大幅に急落、4日から6営業日連続で下落した。12日には、今年に入っての下げ幅が終値で1800円を超えたが、翌13日には反発、前日終値比496円67銭高で終わった。

原油価格の続落も投資家の不安を増幅している。原油安はガソリンや電気の価格下落につながり、産業界や家計にとって追い風になる一方で、産油国の財政不安や石油業界の収益悪化を招き、世界的な株安の要因にもなっている。物価全体を下押しするため、デフレ懸念を世界に広める側面もある。

産油国の供給過剰がもたらす原油安は、減産調整が不能な状況に陥っているため、一気に終息する気配はない。今回、価格続落のあおりで、世界の資源関連株は総崩れになった。米国の利上げが続けば資源国の通貨安が進み輸入価格が上昇するので、日本からの輸出や日本企業の投資に影を落としかねない。

世界銀行は先週、今年の世界全体の実質経済成長率見通しを2.9%に引き下げた。昨年の2.4%は上回るが、世界経済の危険水域とされる3%は割り込む。年頭からの市場の混乱は、世界経済の足取りの重さを改めて印象づける格好になったといえよう。

政府は世界市場の変動に常に注意を怠ってはならない。日本経済は堅調なので、過度に悲観せずデフレ脱却に向け政策を着実に進めてほしい。

特に、賃上げに力を注ぐべきだ。これから春闘の交渉が本格化する矢先に今回の混乱が起きたので、労使双方に微妙な影響を及ぼしかねない。しかし、経団連など経済3団体の各トップは賃上げ実現で足並みをそろえており、低い回答額に終わらないよう政府は後押しすべきだ。

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