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県都構想は見当違い?

将来の選択肢の一つとして

 
 当ブログでのご挨拶が大変遅くなりましたが、旧年中は大変お世話になり誠にありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い致します。

 さて、昨年、静岡県政(そして静岡市政)で話題となったテーマの1つに、静岡市を東京23区のような特別区にするという「県都構想」があります。特に、昨年10月に川勝知事が県都構想について自ら説明する広聴会を静岡市内3箇所で開催した際には、地元のニュース番組や新聞で大きく取り上げられました。広聴会には私も参加しましたが、参加者からは賛否両論の意見が出されました。

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※清水区で開催された知事広聴会「平太さんと語ろう」(平成27年10月14日)


 県都構想、そして、静岡市等の政令指定都市市長が実現を目指している「特別自治市構想」双方の具体的な姿や効果等は、まだ十分に示されていません。また、どちらの構想を実現するにも法改正が必要であり、実現には長期間を要しますが、静岡市の将来の選択肢として、両者とも真剣に検討すべきと私は考えています。

思い付きの県都構想?


 川勝知事が県都構想を提唱し始めたのは、昨年の5月17日に行われた大阪都構想に関する住民投票の直後頃からです。田辺市長や静岡市議会、そして私を含む静岡市内選出の県議会議員等に対して事前説明がなかったことから、大阪都構想から得た「知事の思い付き」という印象をお持ちの方は多いようです。しかし、これまでの川勝知事の言動をたどれば、県都構想は決して思い付きのものではありません。

 川勝知事は、田辺市長が初当選する前から、静岡市長や浜松市長が唱える特別自治市構想の実現に向けて協力することを表明してきました。この「特別自治市」とは、道府県と同等の権限、財源を持った大都市を指します。つまり、道府県からの独立を意味します。

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※政令指定都市と特別自治市構想


 ところが、県から独立するということは、特別自治市内にある県施設については、市外に移転(あるいは廃止)するか、特別自治市に移管することが必要となります。何故なら、独立した特別自治市民が払う税金は、当然ながら、県施設の為には使われないからです。

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※県都構想


 静岡市のような県庁所在地(県都)には数多くの県施設があります。県庁、グランシップ、県立美術館、草薙総合運動場、県立高校、特別支援学校、県営住宅、警察署、交番、そして直接的には独立行政法人が運営する県立総合病院、こども病院、県立大学等です。こうした施設が市外に移転した場合、そこで働く職員(県庁だけでも4千人以上)も移ることになりますし、移管した場合は、巨額の維持管理費を特別自治市は負担しなければなりません。

 横浜市(371万人)大阪市(269万人)名古屋市(227万人)のような大きな政令指定都市には、そうした県施設の移管に十分対応できるだけの財政基盤(静岡県と同規模の年間予算(1兆円以上))があります。しかし20ある政令指定都市の中で最も人口が少ない静岡市(70万人)の年間予算は2800億円程であり、特別自治市になるのに相応しい財政力があると言い切れるでしょうか。川勝知事が特別自治市に代わる選択肢として県都構想を提唱するに至った理由の一つがここにあります。

将来の大幅な人口減少に今から備える!


 「今のままでいいじゃないか」という方も多いでしょう。しかし、これから少なくとも数十年は人口減少が続くことが決定的な現実を考えれば、そうとばかりは言っていられません。

 地方自治法は政令指定都市の要件として、「人口50万人以上」を掲げています。つまり、法改正がない限り、人口が50万人を下回れば、静岡市は政令指定都市の資格を失うことになりますが、その可能性は大きいと考えるべきです。県の将来人口推計によれば、合計特殊出生率(静岡市の出生率は2013年1.41)が2020年までに2.07に上昇、そして社会移動(同2014年926人流出)が均衡し、それらが維持されれば、53万人程までの減少で留まります。しかし出生率を数年で2.07(人口置換水準)にまで引き上げることは不可能と言うべきで、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)による推計の傾向が継続した場合には、2050年頃には50万人を下回り、その後も更に人口は減少し続けます。

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※静岡市の将来人口の長期的な見通し

 社人研の推計のような状況にまでは至らないとしても、近い将来、静岡市の人口が50万人を切る可能性は十分にあると厳しく想定すべきです。選択の結論を直ちに出す必要はありませんし出すべきでもありません。しかし、今のままで良しとはせず、静岡市のグランドデザインを描くとも言うべき大きな課題として、県都構想、特別自治市構想等について今から考え、将来の大幅な人口減少に備えることは私達大人の責任です。大いに議論していきましょう!

 お読み下さり、ありがとうございます。

※県都構想については、「すずきさとるのすずしんラジオ」でも昨年11月12月の放送で取り上げました。ぜひ併せてお聴き下さい!

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