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デビッド・ボウイ死去によせて

デビッド・ボウイが亡くなった。

今にして思えば、この人の生きていた時代はまだ社会が複層的で、「反抗」の許された時代だったんだなあ、としみじみ思う。

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こんな恰好で歌うたってたら、今じゃこれ、芸人でしょ、もう。
真面目に宇宙から来たロックスターなんて設定でアルバム作って、オーディエンスも(ギャグではなく)大真面目にジギー!!!なんつって失神しちゃうみたいなノリって。

どうなんですか。今じゃありえないですね。

いつ、こういう格好で宇宙的設定で真面目にパフォーマンスできる時代が終わってしまったのか、を考察するのに、やっぱパンクロックの終焉とイラン革命の終息を契機として挙げないわけにはいかないですね。

パンクロックは言うまでもなく、「反抗」表現の袋小路、これ以上「反抗」できる余白はもうありませんよ、という現象であるからして、ボウイのダチのイギー・ポップが割れたガラスの上を裸で「イタイイタイ」しながらごろごろしていたのは、いや、もうこれ以上できませんって、と首を振る上島竜平だったわけですね。歴史的に見ると。

ちなみに、グラムロックとパンクロックの分類学上の違いは化粧しているか、髪が逆立っているか、赤っぽい色か黒っぽい色かなどの特徴で判別できるが、系統学上(発生学上)の違いはない、これを同種か別種かを議論するには、リチャード・ドーキンスとスティーブン・ジェイ・グールドの「利己的遺伝子説」VS「断続平衡説」を参考に進めるのがよいだろう。

ホメイニという(遅れてきた)ジギースターダストが現れた頃のイランは、最後の「反抗」の大地だったことに異論はない?かな、と。

わからんけど。

当時のイラン国民は本気でマジでジギー!!!と叫んで、失神していたんだから。
ところが、まあ、当たり前だが、「反抗者」が主役になったら「反抗」する余白は徹底的に塗りつぶされるわけで。

イランが「反抗」の対象とした西洋世界はもはやパンクバンドでさえギャグ(=パブリック・イメージ・リミテッド)にしかなりえない世界であり、その子孫はおネエ(カルチャークラブ)、負け犬(ニルヴァーナ)、BGM(ワム!)として体制下で糊口をしのぐより生きようがない有様。

世の中、これ、すべて有用性と効率性に支配された状況では、「異星から落ちてきたロックスターでござい~」などとのたまったところで、ああ、またそういう新たな刺激で稼ぐスキームですな、珍しくも面白くもないですよ、一つも、とそっぽを向かれるのが関の山で。

異星から落ちたロックスターがそのまんまであったころ。

don't believe in youself, don't deceive in belief
knowledge comes with death's release・・・
(Quicksandより)

大言壮語はロマンだった。(のだろう)

死んでから知識が来るわけがないじゃないか。

あ、生きていると永遠にバカだってことなのか。

良かったね。ジギー。

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