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若年女性の貧困 実態調査を急ぎ、支援策を探れ

2016年度から始まる政府の「第4次男女共同参画基本計画」(20年度まで)に、女性の若年無業者(ニート)や非正規雇用の実態調査を行う方針が初めて盛り込まれた。公明党の女性委員会が女性の貧困対策の観点から強く求めていた調査であり、歓迎したい。

総務省によれば、全国のニート数は56万人に上り、約4割を女性が占めている。しかも、若年女性の場合はニートであっても「家事手伝い」とみなされるケースがあり、実数はもっと多いとみられる。ニートの独身女性が、無職のまま年齢を重ねれば、将来、困窮した生活に陥る恐れが大きい。

男性と比べて実態がつかみにくい女性のニートについて、政府は、学校を卒業した女性の就職状況がどうなっているかを、きめ細かく調査・分析し、対策を検討すべきだ。

取り組みを進めている自治体もある。横浜市の男女共同参画センター横浜南では、ニートの女性向けの自立支援プログラムを実施している。本格就労の準備として働ける「めぐカフェ」を開設し、仕事に慣れてもらう内容だ。このプログラム受講者の約半数が就職先を見つけている。こうした支援はニートの就労対策を考える上で参考になろう。

一方、職に就いていても単身で暮らす女性の経済環境も厳しい。ある調査では、勤労世代(20~64歳)の単身女性の相対的貧困率(所得が標準的所得の半分に満たない人の割合)は男性と比べて高く、3人に1人が「貧困」とのデータがある。とりわけ若い単身女性の貧困が深刻化しているのではないかと指摘されている。

これは雇用契約が不安定な非正規雇用で働き、低収入の女性が多いためだ。雇われて働く若年男性(15~34歳)の約2割が非正規雇用だが、女性(同)の場合は半数を超す。

非正規雇用の女性を対象にする実態調査では、初めて就いた職業の状況や、正社員を希望しているのかどうかを詳しく調べる必要がある。調査を基に、就労や生活支援など、幅広く対策を探るべきだ。

政府の掲げる「1億総活躍社会」の実現に向け、若年女性の貧困に光を当て、女性が生き生きと働ける環境を整えていかなければならない。

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