- 2016年01月05日 16:30
「東日本大震災」関連倒産(12月速報値)
2015年12月の「東日本大震災」関連倒産は6件(速報値:12月29日現在)で、9カ月連続で前年同月を下回った。2015年10月以降は1桁の推移が続き収束傾向を強めている。ただし、累計件数は震災から5年を前にして1,682件(12月29日現在)に達している。12月の負債総額は36億7,600万円で、2カ月連続で前年同月を上回った。
2015年12月の倒産事例
セールスプロモーション企画制作のキッズコーポレーション(株)(TSR企業コード:292545860、東京都)は、イベント企画、制作をおこなってきた。しかし、東日本大震災でイベントの中止や延期から減収が続き、業績不振に陥った。このため、金融機関へのリスケ要請などでしのいできたが、売上低下に歯止めがかからず破産を申請した。
温泉旅館経営の(有)古畑旅館(TSR企業コード:182050564、青森県)は、業歴が長い老舗旅館で、総ヒバ造りの風呂を備えて湯治客などの人気を集めていた。しかし、東日本大震災以降は客足が遠のき、赤字経営から脱却できずに破産を申請した。
震災関連倒産の2015年(1-12月)の年間集計は140件(速報値:前年比20.0%減、前年175件)で、前年より2割減になり収束傾向を強めた。しかし、依然として震災の影響をいまだに引きずって業績不振から抜け出せない企業がみられる。
2015年12月の地区別は、関東と東北が各3件だった。このうち直接被災地の東北の内訳は、宮城が2件、青森が1件。
「震災関連」倒産の累計1,682件を都道府県別でみると、最多は東京の511件(12月2件)。次いで、宮城132件、北海道82件、神奈川71件、福岡70件、千葉63件、岩手61件、茨城60件、群馬56件、栃木50件、静岡48件、福島45件、大阪と山形が各44件、埼玉41件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は332件(構成比19.7%)だった。
「震災関連」倒産の累計1,682件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の445件(12月3件)。次いで、製造業が385件(同1件)、卸売業が308件(同ゼロ)、建設業が208件(同1件)、小売業が154件(同1件)と続く。被害型で分類すると、「間接型」1,541件(構成比91.6%)に対し、「直接型」は141件(同8.3%)だった。12月の「直接型」は1件。
震災関連の集計基準
「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。
- 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
- 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
- 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
- ※集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
- ※「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。
倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)
- 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
- 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
- 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)
- 東京商工リサーチ(TSR)
- いま役立つ倒産速報やビジネスデータなどを配信中。



