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クラウドで「あ、うん」の呼吸が機械にわかる時代が来る

亭主が会社から帰って来ると、既にお風呂が沸いている。
ひと風呂浴びると、冷えたビールが出てくる。枝豆もだ。
食卓には旦那の好物がずらりと並んでいる、、、
奥さんは偉大だ。まるで魔法のように次から次へと旦那が必要とするものが出てきます。
でもその奥さんにも強力なライバルが登場しました。
え、会社の若くてピチピチした女性社員だろうって?
いいえ、そうではありません。
スマホです。

ワイヤード・マガジンのケビン・ケリーはインターネットの未来、人類の未来という問題について誰よりも深く考えているひとりです。

ケビンが良く言うことは「ワールド・ワイド・ウェブが登場してから未だたった5000日しか経っていない。」ということです。(但し彼がこの発言をしたのは今から約3年前ですので今なら6000日と言うべきでしょう)

このようにインターネットの歴史は浅いにもかかわらず、ネットは我々の生活に深く入り込んでいます。

具体的には動画を楽しんだり、グーグル・アースで世界の様子をのぞき見たり、書籍をインターネットで買ったり、SNSで新しい友人を作ったりしているわけです。

しかも大半のコンテンツは無料です。

若し、1995年頃に「あと10年もたてば、そうなる」と僕が言えば皆さんは「まさか!」と言って信じなかったに違いありません。

インターネットの世界では「それは不可能だ!」というのは禁句です。

ここまでの5000日の間に世界はこれほどまでに変わったわけですから、次の5000日にそれがいったい、どういう変化を見せるかは全く予想ができないからです。

下の画像はインターネットがどういう風につながっているかを示した図です。

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人間の脳細胞などを思い起こさせる複雑さです。

さきほどのケビン・ケリーは「インターネットはひとつの巨大なマシーンだ」と主張しています。そこでは一日に約1000億クリックが実行されているそうです。1秒に200万電子メールがネット空間を飛び交っています。

もともとインターネットとは独立したコンピュータ同士をつなぐという試みでした。

下の図はインターネットの起源となったARPANETの構想をラリー・ロバーツがスケッチしたものです。1960年頃の作品です。

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こんにちのインターネットは単にコンピュータ同士が話をするという段階からもっと先へすすみつつあります。

今ではウェブカムやビデオレコーダーを通じて人々はインターネットに動画や音楽をUPしています。これはインターネットというひとつの巨大な頭脳にこれらの知覚、聴覚、視覚のデバイスがすべてつながっていて、人間の眼球や耳の役目を果たしていると解釈できるのです。

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だからみなさんが携帯電話やアイフォーンのスクリーンをのぞきこむという行為はこのWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)という巨大なマシーンと見つめあっていることに他ならないのです。

グルナビをつかってレストランにどう行けばよいかと問いかければ、WWWという巨大な頭脳がそれに応えてくれる。

つまり人間はどんどんWWWに依存度を高めているわけです。

その結果、携帯電話やノートパソコン無しには生きられないという状況になるのです。

それではその窓の向こう側にあるものは何か、それはつまりインターネットであり、それはクラウド、つまり雲なのです。

この「雲」の起源は昔から技術者の間ではインターネットの存在を表現する際に雲の絵をかくことによって省略してきたことによります。

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昔はクライアント・デバイス(パソコンなど)に技術者の注意が多く払われていたため、自分の議論に関係ない、「その多大勢」みたいなものを表すときに雲が使われたというわけです。

インターネット上の2つ以上のサーバを同時に使って複雑なひとつの演算を実行する方法をグーグルが2006年くらいから語り始めました。それがこんにちのクラウドコンピューティングであるという風に狭義に理解しても良いでしょう。

ただ、クラウドの定義は人によってまちまちです。

だからアナリストによって市場規模の予想数値は大きく違います。メリルリンチによると2011年までに1600億ドルと試算されていますが500億程度と控え目に計算する調査会社もあります。

既存の市場であるバーチャライゼーションをクラウドコンピューティングの市場に含めてしまう考えかたもあり、それが市場潜在力をダブル・カウントしている場合もあります。

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このグラフは市場調査会社、ガートナー・グループの試算するクラウドコンピューティング市場の規模です。さっき言ったメリルリンチの予想とはまたちょっと違います。これだと2013年までに1600億ドルの市場に成長するというわけです。

クラウドコンピューティングと同様に重要なトレンドとして「インターネット・オブ・シングス」という概念があります。

インターネット・オブ・シングスというのは直訳するとモノのインターネットということになります。

これまでのインターネットの使われ方はホームページやブログなど文章や動画のページにまつわるものが主流でした。

つまり先ほどはインターネットの初期に、ひとびとは既存の電話線の上でパケットをシェアするということを覚えたといいましたけど、今度はホームページやブログではいろんなリンクをお互いに貼り合って、リンクをシェアしはじめたのです。つまりウエブアドレス同士を結び付けることで情報の伝達が早まり、生産性が高まったのです。

さて、その次の段階であるインターネット・オブ・シングスというのはさらにそれを進化させた概念です。

つまりウェブページやブログに書かれている単語のひとつひとつ、あるいは皆さんが持ち歩いている携帯電話のひとつひとつ、さらにカーナビなど、ユーザーの居所を知らせるデバイスなどから発信される個々の情報、それはつまりデータということになるのですが、そのデータをシェアするのが次のステージになるのです。

たとえば金曜日の夕方の5時に赤坂見附で携帯電話から「レストラン」という風に検索を入れてやる場合、昔のグーグルなら自分の居る場所や時間に合わせた検索結果は必ずしも返ってきませんでした。

でも次第にコンピュータがコンテクスト、つまり利用者の置かれている状況、質問の文脈というものをたちどころに理解して、ツボにはまった検索結果を打ち返すことがはじまりつつあります。

例えばさっきの例ならレストランのリストは黙っていても赤坂見附近辺のものが出ます。さらに夕方5時だということは喫茶店なんかじゃなく、お酒が飲めるところ、ディナーがたべられるところかもしれないわけです。

さらにその携帯が特定のユーザーの持ち物であることから、「あ、このユーザーは先週新宿でカレーを食べた。だから赤坂でもインド料理屋を探しているにちがいない」とか、「こいつは最近、カレーばっかり喰っているから、そろそろ飽きた筈だ。かわりに焼肉はどうだろうか?」なんてサーチエンジンが気を利かす時代が来ないとは限らないのです。

つまりユーザーがどの町に住んでいるかわかる。これはもうワールド・ワイド・ウェブじゃなくて、ワールド・ワイド・データベースになるわけです。

しかも自分が使うクルマやトースターやコーヒーメーカーなどに全部、RDFa、 リソース・ディスクリプション・フレームワークとよばれる簡易チップが埋め込まれています。

すると個人情報は好むと好まざるにかかわらず、どんどんネットに吸い込まれてゆくわけです。

そして自分がみずからすすんで自分の個人情報をネットに出せば出すほど、つまり相手に自分のことを覚えさせれば覚えさせるほどネットから返ってくる答えが賢くなるわけです。

だからこそ人間はますます携帯電話やパソコンなしの生活を不便に感じるようになっているのです。

もちろん、自分のことをコンピュータがよく知るということは怖いことでもあります。

2001年宇宙の旅という映画があります。あの映画では未来においては人間はコンピュータに自分の生存ということを依存する度合いがものすごく高まる、でも若しコンピュータが人間にヤキモチを焼いたり、意地悪をしはじめたら、どうなるだろう?ということが描かれていました。

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膨大な個人データ、さらにモノのデータに支えられて、いままでよりもっと高度なレベルで人間の役に立つ、そういうインターネットのことをシマンテック・ウェブと呼びます。人によってはこれをウェブ3.0と呼ぶ人も居ます。

シマンテックの語源はシマンティクス、つまりシンタックスからきています。シンタックスというのは構文という意味です。つまり文章構成ですね。別の言い方に直せば文脈がわかるということです。

文脈がわかるということはつまりその意味するところがわかるということです。インターネットがつぼにはまった答えを人間に返してくるという現象はすなわちその質問者の意図を汲み取るということなのです。

人間は普段、そういう意図を経験から解読しているわけです。コンピュータにそれをやらせようとすれば、膨大な個人データの蓄積が必要になります。だからウェブ3.0というのはデータベースの戦いになるのです。つまり企業の主戦場はデータセンターになるのです。

それから携帯電話やデジタルカメラなどのデバイスがインターネットという巨大な頭脳の目となり、耳となるわけですから、これらのデバイスはどんどんその使い手である人間と一緒に外出しないといけなくなります。

それは何を意味するかといえば、情報のインプットの側ではワイヤレス、ないしはモバイル・コミュニケーションが重要になるわけです。だからワイヤレス・ブロードバンドの能力がもうひとつのボトルネックになるのです。

いま、この分野での商品は不況にもかかわらず爆発的に売れています。

ここまでの話をまとめると、結局のところウェブ3.0とかシマンテック・ウェブという言葉で私たちが表現している次世代のウェブというのは「空気が読める、使い手の意を汲む、気が効く」コンピュータのことなのです。

そしてどうやってそういう気が効くコンピュータが実現されるのか?という問題についてはもうすでにかなり輪郭がハッキリしてきています。

それは少なくとも1台のスーパーコンピュータで実現することではないのです。また、SFのようにロボットに感情教育をすることで空気を読めるようにするというのとも、ちょっと違います。

それでは一体、何がコンピュータを賢くするのか?それはウェブ上のいろいろなところにバラバラに保管されているアナタの個人データ、過去の購買実績や立ち寄った場所、ブログに書いたことやウェブで閲覧した足跡、、、それらの膨大な記録、つまりデータを瞬時に引っ張り出し、判断することで検索などのサービスの精度を高めることによって実現されるのです。

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