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平成28年1月3日

  [激動の年へ]


 皆様におかれましては新しい年をご清祥にてお迎えのことと存じます。

 昨年10月7日に実施された内閣改造で、内閣総理大臣補佐官を拝命して以来、重責に身の引き締まる思いをしつつ、全力で任務に取り組んできました。元来、現場の声を聞き、自分の信念にしたがって積極的な行動・提言をすることが私の持ち味で、それが政局を動かすことにもつながってきたという自負があります。首相官邸の一員としての自覚は当然必要ですが、総理はそうした自分の特性を評価されたうえでこのポストに私を抜擢して下さったのでしょうから、これからも積極的に情報発信や活動に努める所存です。

 [まずは経済再生など]


 自公政権の返り咲きにより、平成24年度からの2年間で日本企業の経常利益は約16兆円増え、内部留保も約50兆円増加しています。税収は25年ぶりの高水準である57.6兆円となります。しかし、設備投資の伸びはこの2年間で約5兆円どまりとなっているうえ、地方や中小企業の中にはまだ実感がない所も相当数あると承知しております。

今年は「一億総活躍社会」をテーマに、地方創生や中小企業対策を加速するとともに、ただ政治の側から要請するだけではなく将来への不安をなくすことによって、より積極的な国内投資や賃金引上げを実現できるようにしていきます。もちろん企業収益を引き続き確保することが大前提であり、私が仲間たちと強力に主張し続けてきた法人税実効税率の引き下げは、年末の税制改正大綱により平成28年度からついに20パーセント台になります。そして中小企業の新規設備投資への固定資産税を3年間半額にしたり、役所の地方移転や企業版ふるさと納税の創設などをしていきます。
 
今、TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意や、総務副大臣時代から進めてきた日本郵政と傘下のゆうちょ銀行・かんぽ生命の同時上場など、かつてない取り組みが形になりつつあります。
特に、TPPに関しては、日本の中小企業の海外展開を関税の引き下げの面から後押しするという効果のみならず、既に日本が定めている自由で公正な貿易・投資ルールを世界の標準とすることによって、世界の人・モノ・金を呼び込んだり、域外の中国が中心となって展開しようとしているAIIB(アジアインフラ投資銀行)などの業務をも、外から改善させたりする効果が期待できます。農業分野においても、消費者の求める産物が入手しやすくなりますし、事業者の方々の不安については、経営安定対策の充実やブランド化による輸出促進、農協改革や技術開発・人材育成などへの支援を行うことによって対応して参ります。

こうした取り組みや東京オリンピックの準備を通じて、「岩が転がり出した」という実感が持てるようになると思います。地元でも、三芳スマートインターチェンジのフル化が決定したり、所沢駅東西口再開発やKADOKAWAの誘致・米軍通信基地東西連絡道路の具体化が進められたりしており、しっかり後押ししていきます。
 
なお、「新三本の矢」である、名目GDP600兆円の達成、希望出生率1.8の現実化、介護離職ゼロの実現は、決してこれまでの「アベノミクス三本の矢(大胆な金融政策・機動的な財政政策・規制緩和など民間投資を喚起する成長戦略)」を撤回するものではなく、これらを引き続き実施しつつ、少子高齢化など根本的・構造的な不安要素を克服し、全ての人が将来に希望を持てる社会を実現しようとする取組みなのです。

まず、名目GDP600兆円達成のために、先述の取り組みに加え、規制緩和・技術革新などによって生産性の向上を進め、医療・IoT(インターネット・オブ・シングス)・エネルギーなどの分野などを牽引車として成果を上げていきます。また、女性やシルバー人材などベテランの方々、若者、障害者など、それぞれの個性が発揮できる就労支援を進めます。マイナンバーをしっかり定着させて行政と経済の新たなステージを作ったり、空き家対策を促進したりします。

希望出生率1.8の現実化のためには、非正規労働の方々の正規化・育休取得促進を行い、企業内保育の充実化や保育人材の待遇改善、幅広い人への婚活の支援、不妊治療の支援、「日本版ネウボラ」(子育て世代包括支援センター)の整備などに取り組むとともに、教育負担の低減、一人親や多世代同居の支援などを行います。
 
そして介護離職ゼロの実現のため、介護サービスの基盤を2020年代初頭までに約50万人分は確保すべく、施設設置に向けて国有地を安く貸し出したり、介護休業の分割取得を進めたり、介護相談などの体制の充実・人材確保を進めたり、企業の介護機関との連携を強化したりする一方で、そもそも要介護にならないための予防医学の充実にしっかり取り組んで参ります。
 

[地球儀を俯瞰する外交を]

 
昨年の総理のいわゆる戦後70周年談話、年末の日韓外相会談とそれに続く共同声明により、日韓関係は改善の方向が見えてきました。もちろん慰安婦問題や領土問題などこれから詰めなければいけないことが沢山ありますが、この歴史的な流れを大切にしていきます。

今、日本を取り巻く安全保障環境は激変しています。急速に軍事力を増強した中国の南シナ海・東南アジアにおける活動にしっかり対処するとともに、昨年パリで発生した同時多発テロのような事態を今年5月に開催される伊勢志摩サミットをはじめ国内で断固として防いでいくことなどが課題となります。私は安全保障担当の首相補佐官として、安心・安全確保のために全力を尽くします。

無論、シリア難民の支援やロシアとの北方領土問題、北朝鮮の核開発や拉致問題への対応等、課題は山積しています。グローバル化が進む中、外交は経済にも為替や市場の安定などを通じ、大きな位置を占めています。首相官邸はここには書けないような様々な情報が集まる場所であり、それをきちんと精査しながら危機管理を行っていく決意です。困難ではありますが、沖縄の普天間飛行場移設や先の通常国会で成立した平和安全法制の必要性も引き続き説明していきます。
 

[逃げずに改革を]

 
選挙制度も私の重要な補佐官業務です。参議院に続き、最高裁で定数配分が違憲状態とされた衆議院において、定数削減と配分の見直しを党派の壁を超えて実施しなければいけません。18歳への投票年齢の確実な引き下げやインターネットの活用の検討など、様々なテーマに取り組みます。
 
財政再建も改革待ったなしの状況を迎えています。平成28年度予算では、一般歳出の伸びを4700億円に抑制し、先述した税収増と相まって新規国債発行額は前年度より2.43兆円少ない34.43兆円と2年連続で40兆円を下回るとともに、公債依存度は35.6パーセントで、リーマン・ショック以前の水準まで回復しました。しかし依然として財政は危機的な状況であり、私は自民党の財政再建特命委員会の一員として、経済再生を図りながら歳出の徹底した効率化・合理化のために提言をしていく所存です。
 
 年末に大きな関心を呼んだ消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入についても、負担の軽減と課税の公正に加え、事業者の方々に対しては、インボイス導入までの簡易な納税を可能にするとともにレジ買い替えや受発注システムの改修などでしっかり支援をして参ります。

日本はバブル崩壊後低迷していた時代をようやく乗り越えようとしています。未来を見据えて大きな方向を示していく時です。誤解を恐れずに言えば、「現状のつらさをなぐさめる」より、「たとえつらい目にあっても頑張れば必ずまた立ち直れる」ことを教育のテーマに掲げ、人材をしっかり育成し、そして様々なアイデアを生かして夢を実現していける社会を作っていくことが私の課題です。「努力は報われる」そうみんなが感じた時、日本は再び力強い前進を始めるでしょう。ラグビーの日本代表チームが、体操の日本代表チームが、障がい者スポーツで活躍する日本選手たちが、私たちの行く道を示しています。

引き続きの皆様のご支援を心からお願い申し上げます。

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