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「まるで公開処刑が遠足のようだった」…北朝鮮「人権侵害」の実態(7)

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政治犯収容所出身者が描いた拷問の様子(ハト拷問)

今月17日に国連総会が採択した、北朝鮮の人権侵害の追及を促す決議は、そのための取り組みが「速やかに」行われることを求めている。その背景には、ひとつの重大な懸念があると思われる。

急がなければ、文字通り人格を全否定されている政治犯収容所の収容者たちが「証拠隠滅」のために抹殺されてしまうのではないか、という懸念だ。

収容所で看守として働いていた脱北者、アン・ミョンチョル氏は、「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」の最終報告書(以下、国連報告書)の中で次のように証言している。

「管理所では、収容者は戸籍のある国民ではなく、処刑に法律は不要だった。国家安全保衛部の担当官が生死を決定していた。担当官の決定がすべてだった」

(参考文献:国連報告書「政治犯収容所などでの拷問・強姦・公開処刑」

また、調査委員会は次のように指摘している。

調査委員会は、収容所内の収容者の大半が釈放される見込みがないことを把握している。完全管理区域に死ぬまで収監される。比較的罪が軽微で第15政治犯収容所の改造区域の収容者のみが、収容所で何年も過ごしたのちに釈放され国民としての地位を回復するのぞみがあった。現在もそうであるかは不明である。2007年以降、第15政治犯収容所からの釈放例は報告されていない。

そもそも、北朝鮮当局は収容者を生かしておくことを前提にしていない。前回言及した「母とその子は収容所内の懲罰棟に連行され、赤子は犬のエサの器に投げ込まれた」という出来事も、収容者たちは「階級の敵」であり、彼らは「根絶やし」にすべきという国家の方針から生まれたものと言える。

(参考文献:国連報告書「(d)性的暴行、家庭を持ち子を作る権利の否定」

北朝鮮の国民の多くは、いずれ自分の生存権がこのように否定されてしまうのではないか、との恐怖を幼いときから植えつけられている。以下は、国連報告書に収められた、公開処刑に関する証言の一部だ。

● チョン・ヨンファ氏とキム・ジュイル氏は、10歳のときに最初の処刑を見た。どちらの場合も、教員は授業を中断して、子どもたちを処刑場所に連れて行った。

● チョン・ヨンファ氏は、16歳のときに再び処刑を見た。工場責任者が、工場の業績不振に伴いスパイとして処刑された。恐ろしさを感じたし、誰でもがこのような処刑の犠牲者になり得ると考えた。

● リ・ジェグン氏は、北朝鮮で過ごした30年間で少なくとも10回の公開処刑を目撃した。所属する作業班全員が処刑場所に連れて行かれた。そこには1000人ほどが集まっていた。ある男性は朝鮮労働党の幹部たちを批判したとして処刑された。リ氏は、処刑を見せることの目的を次のように語った。

「まるで遠足のように公開処刑場所に連れて行かれた。誰も、党への反対や金日成の思想への反対をしようとは思わなかった」

(参考記事:元死刑執行人が証言「死刑囚は鬼の形相で息絶えた」

北朝鮮の行政システムは、国民に十分な食料を与え、幸福にするためにまともに機能してきたとは言い難い。しかし人間の心理を操り、体制を維持することにかけてはそうではなかったようだ。

※デイリーNKジャパンからの転載

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