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10億ドル長者量産工場化する中国

中国はこれまでの輸出依存型経済から内需主導型経済へと転換しつつあります。

その過程で人民元の水準は切り上がります。

人民元高になると中国人の国際的な購買力は底上げします。

それはちょうど1980年代に円高を背景にジャパン・マネーが世界を席巻したのと同じ仕組みです。

中国人は当時の日本人以上に欧米型キャピタリズムを積極的に支持しており、裕福層の資産運用の手法にも変化が出始めています。

具体的には去年くらいまではキャッシュ・マネージメント型商品(高利回り保証ファンド)がプライベート・バンクの定番商品だったのが、今はベンチャー・キャピタル・ファンドのような商品がバンバン売れています。

米国の老舗ベンチャーファンド、セコイアなどもファンド資金の募集とその投資先の両面で中国市場に大きくコミットしています。

加えてこのところ中国ADRのIPOも続々出ており、投資資金の「刈り取り」も活発化しています。

それは中国が「10億ドル長者量産工場」化しつつあることを意味します。

さて、中国のビリオネアーが日本のそれと根本的に違うのは40代以下の若いアントレプレナーの約半数が欧米に留学経験があるという点です。

彼らは海外旅行を頻繁にするし、旅行先で買い物をします。(贅沢品に対する課税や輸入関税などもそうした消費態度に影響を及ぼしています。)

このため中国向けラグジャリー・グッズの消費の半分以上はパリ、ロンドン、ニューヨーク、シンガポールなど、中国国外の店舗で売上られています

中国人の間で世界のラグジャリー・ブランドの認知度も着実に上昇しつつあります。
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経済が上り調子の国ではアスピレーショナルなブランドが支持を得るし、CMのメッセージも昂揚的なものが多くなります。

下はその一例で、英国株ADR、ディアジオ(ティッカー:DEO)のスコッチ・ウイスキーのブランド、『ジョニー・ウォーカー』のコマーシャルです。



ディアジオは『ジョニー・ウォーカー』の他に『ギネス』などのブランドを持っていますが、『ジョニー・ウォーカー』は若きアントレプレナーのアスピレーション・ブランドとしてとりわけ新興国ではアグレッシブにマーケティングされています。

洋服では中国で代理店を買収、傘下に収めることで直営戦略に切り替えたバーバリーがとりわけ目の覚めるような成功を収めています。

時計ではスイスのリシュモンが良いポジションにつけていると思います。

またほとんど注目されていないダークホースになりますが、カナダのハリー・ウインストン(NY市場ティッカー:HWD)はニューヨーク五番街本店で大粒のダイヤモンドを買い求める中国人裕福層がすごく増えていると報告しています。

同社は今年から来年にかけて中国に2つの旗艦店をオープンする計画です。



PS:ディアジオのADRは楽天証券で、バーバリーとリシュモンのCFDはCMCマーケッツで扱いがあると思います。ハリー・ウインストンについては扱っている証券会社は無いと思います。

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